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禅の概念「数息観」を取り入れた瞑想
禅の瞑想には「数息観」という概念があります。これは簡単に言うと、呼吸を数えることを指してまして、座禅を組みながら呼吸に意識を向ける基本的な所作であります。
ザックリしたやり方を臨済宗の大本山國泰寺のHP(#1)から拝借すると、
- 座禅を組んで背筋を伸ばす
- あごは少し引き気味で目線を1.5メートル先
- 目は閉じない
- 息を吐くときに呼吸の数を数えていく
- 10まで数えたら1に戻る
この手順で呼吸のカウントを繰り返していくとのこと。非常にシンプルで良いですね。
数息観瞑想で注意力アップ&マルチタスクが改善!
といったところで、今回はこの「数息観」を取り入れた瞑想に関するお話。参考は2016年にインディアナ大学ブルーミントン校とウィスコンシン大学が発表した研究(#2)で、短時間の数息観をつかった瞑想でマルチタスクや注意力は改善されるか?を調べたもの。
実験内容はザっとこんな感じです。
- 42名のウィスコンシン大学マディソン校生徒を対象に
- 10分間の禅瞑想 vs. 10分間のネットサーフィン(NS)でマルチタスク度や集中力テストのスコアを比較した
- テストは2日に分けて1日目と2日目でグループを入れ替えて実施された
つまり実験の趣旨は、数を数えるタイプの瞑想は一般的な休憩手段であるネットサーフィンと比べてその後の注意力を高めてくれるのか?というところ。
ちなみに今回選出された学生たちは、マルチタスク度のスコアが平均を上回っていることが前提条件で、軽度から重度なマルチタスカーまで居た模様。また、テストは数種類ありまして、1日の間にテスト前で計3回瞑想/NSを行う時間(10分×3 = 30分)が設けられました。
するとこの実験の結果は、
- 重度のマルチタスカーは軽度の人より全体的に集中タスクの成績が低かった
- 禅瞑想グループで集中タスクのスコアが高まった
- 重度のマルチタスカーのほうが軽度の人より瞑想のメリットが大きかった
どうやら禅瞑想で集中力や注意力が有意に高まったようです。更にこの改善は、マルチタスクにどっぷり浸かってる人で大きかった、と。これは元々改善の余地が大きいことを考えれば納得のいく結果ですね。
ただし一方で、
- ワーキングメモリや思考の柔軟性には効果は見られなかった
この辺りの効果とはハッキリ区別しておいたほうが良さそう。10分の禅瞑想は注意力や集中力アップに効くけれど、認知機能の性能アップには足りないみたいです。
赤羽(Akabane)
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#1 大本山國泰寺ホームページ「座禅を学ぶ」2019年5月18日アクセス。
http://kokutaiji.info/houwa5.html
#2 Thomas E. Gorman & C. Shawn Green,”Short-term mindfulness intervention reduces the negative attentional effects associated with heavy media multitasking“,Scientific Reports volume 6, Article number: 24542 (2016).