赤羽(Akabane)
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カリスマの魅力を手に入れるためのチェックリスト12項目
カリスマといえば生まれ持った素質だと言われがちですが、ここ数年の間に人をカリスマたらしめる特徴が幾つか分かってきています。
そこでこの記事では、周囲の人にカリスマの印象を与えるために必要な要素をザっと見ていきます。
過去文献をレビューしてわかった「カリスマの12の特徴」
2012年にハーバードビジネスレビュー誌に掲載された研究(#1)では、周囲の人の目に魅力的に映る「カリスマ」になるために必要なことをまとめてくれていました。
まずカリスマの定義をハッキリさせておくと、こんな感じです。
カリスマは価値観や感情に根付いている。それは、アリストテレスが言うところの「ロゴス」「エトス」「パトス」が合わさった魔法から成る影響力である。他人を説得するためには、強力で合理的な疑問を投げかけ、個人的にも道徳的にも信頼を築いていき、そしてフォロワーの感情や情熱を目覚めさせてあげなければならない。もしもリーダーがこの3つを上手に達成できれば、彼/彼女はフォロワーの希望や理想となり、彼らに目的の感覚を与え、偉大なことを成し遂げるモチベーションを与えることになるだろう。[筆者訳](#2)
まとめると、理性だけでなく感情にも訴えかけて、周りの人を上手く説得したり、信頼を勝ち取って仲間につけたりできる特性です。そして「この人にならついていこう!」と思わせる能力。
以上を踏まえて、当研究では過去の文献から、カリスマ的印象を与えるのに最適な9つの言語的特徴と、3つの非言語的特徴をリストアップしていました。
以下がそのリストです。
- 比喩(メタファー)
- 逸話(ストーリー&アネクドート)
- 対比(コントラスト)
- 修辞疑問(レトリカル・クエスチョン)
- 三点リスト(スリーパート・リスト)
- 道徳的信条の表現
- 集団の感情の反映
- 高い目標設定
- 自信の伝搬
- ハキハキした語り口(アニメイテッド・ボイス)
- 表情の変化(フェイシャル・エクスプレッション)
- 身振り手振り(ジェスチャー)
比喩(メタファー)
隠喩(メタファー)、直喩(スィミリー)、類推(アナロジー)が含まれます。要はカリスマの素質として喩え上手であることが大事ということです。
逸話(ストーリー&アネクドート)
話の中にインパクトを与えるストーリーを挟み込むことで聞いている人の印象に残りやすくします。
対比(コントラスト)
対比は合理的・理性的な印象を与えると同時に、情熱にも訴えかけることができる大事な要素です。
修辞疑問(レトリカル・クエスチョン)
修辞疑問とは「答えを求めていない疑問文」のことで、漢文でいう反語なんかもこれに含まれます。聴衆の心に訴えかけるためによく使われています。
三点リスト(スリーパート・リスト)
人の頭には3つのポイントが残りやすい&3つあれば最低限のパターンを網羅できる、という理由で古くから愛されているテクニックです。
例えばプレゼンテーションの冒頭で、「今回皆さんにお伝えしたいことは、これら3つのポイントです」みたいに言うのは最早鉄板ですね。
道徳的信条の表現
周囲の人を味方につけるためには、自分が持つキャラや掲げる信念について話すことも大切だといいます。
集団の感情の反映
上記の「道徳的信条の表現」とセットで、周りの人や聴衆の思っていることや感情を代表して反映してあげることで集団の心をグッと引き寄せることができます。
つまり自分の信念が集団のそれと一致していて、尚且つその中身を分かり易く反映してあげることで、その集団は心をグッと動かされるということですね。
高い目標設定
聴衆の心に情熱的に訴えかけるのに、自身が掲げる高い目標を見せるというのも一つの手です。こうすることで、高い目標に向かって集団を先導するリーダーとフォロワー、という構図が出来上がるんですね。
自信の伝搬
上記で「高い目標設定」をした後は、フォロワーの精神的なケアも必要になってきます。目標が高すぎるがゆえに自信を失ってしまわないように、奮起の声掛けを怠らないことです。
ハキハキした語り口(アニメイテッド・ボイス)
声のボリュームやピッチ、緩急はメッセージの重要な局面を伝えるのに大切です。また声色で感情を表現したり、間に沈黙を置くことで聴衆の注意を引くこともできます。
表情の変化(フェイシャル・エクスプレッション)
聴衆はメッセージと同時にリーダーの表情も見ているので、アイコンタクトを忘れずに微笑んだり、しかめっ面をしてみせたり、表情にも豊かであることが大切だという。
身振り手振り(ジェスチャー)
拳を固めれば自信や力を表現でき、手振りを加えれば聴衆の注目を集めることができます。
まとめ
以上がカリスマ的印象を与えるためのチェックリスト12項目でした。今では「プレゼン・スピーチの話し方」みたいな本も沢山出ていて、最早定番のテクニックもありましたが、意外に実践できている方は少ないのではないでしょうか?(私もこの辺りは苦手です..笑)
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 比喩(メタファー)
- 逸話(ストーリー&アネクドート)
- 対比(コントラスト)
- 修辞疑問(レトリカル・クエスチョン)
- 三点リスト(スリーパート・リスト)
- 道徳的信条の表現
- 集団の感情の反映
- 高い目標設定
- 自信の伝搬
- ハキハキした語り口(アニメイテッド・ボイス)
- 表情の変化(フェイシャル・エクスプレッション)
- 身振り手振り(ジェスチャー)
赤羽(Akabane)
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#1 Antonakis J, Fenley M, Liechti S. Learning charisma. Transform yourself into the person others want to follow. Harvard Business Review, 01 Jun 2012, 90(6):127-30, 147.
#2 John Antonakis , Marika Fenley and Sue Liechti. Learning Charisma. accessed on 29th Mar 2020.