ダークトライアドの核には9つの要素がある!最新研究でわかった「ダークファクター」とその共通点とは?

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ダークトライアドの核には9つの要素がある!最新研究でわかった「ダークファクター」とその共通点とは?

ダークトライアドの核には9つの要素がある!最新研究でわかった「ダークファクター」とその共通点とは?

今回は「ダークトライアドの核には細かく分けると9つの要素が関わっている!」というお話です。
 
 
本題の前にまずはダークトライアドについてのおさらいをしておきましょう。
 

闇の三属性「ダークトライアド」とは

これは闇属性の性格をまとめた総称で、次の3つの性格特性を指します。

 

  • マキャベリズム:(主に政治的活動で)目的の為にはそれが非道徳的でも手段を選ばない特性のこと。自分が果たしたい目的の為に、他人を操って利用したり出し抜くことに何も思わない。
  • ナルシシズム:自己愛傾向が強い特性で、いわゆる「自分大好き人間」のこと。権力や特権など自分を美しく飾るモノが好きで、優越感を感じやすかったり、自分のためなら他人を利用することもいとわない。
  • サイコパシー:他人への共感や罪の意識が欠けていて、無責任になりがちな特性。衝動的で、計画性がないことも特徴に挙げられる。この特性を持つ者は「サイコパス」と呼ばれる。

 

こうした特徴は社会的にみても嫌われたり煙たがられることがほとんどで、だから「ダークトライアド(闇の三属性)」なんですね。
 

ダークトライアドは細かく分けると9種類に分かれる?!追加の6タイプは何?

ではここから本題へ。実はダークトライアドについて、そもそも三属性だけだとザックリし過ぎているし、診断テストも大雑把さが目立つ!みたいな主張があります。
 
 
そこでこの問題について新しい方向性を示してくれるのが、2018年にウルム大学の教授らが発表した研究(#1)で、ダークトライアドの中核をなす9つの「ダークファクター」とそれに共通するコンセプトがある!ということを示してくれています。
 
 
では早速ですが、9つのダークファクターをザっと見ていきましょう。

 

9つのダークファクター
  • エゴイズム:他人やコミュニティを犠牲にしてでも、自分の立場や快感を最優先するタイプ
  • エンタイトルメント:「自分はもっと評価されるべき人間だ」「選ばれし人間だ」といった根強い感覚を持つタイプ
  • サイコパシー:愛情や自制心、他人への共感能力が著しく欠如していて、衝動的に行動しやすいタイプ
  • サディズム:自分の快感や支配力の誇示、欲求などのために他人を心理的、物理的、性的にいたぶるタイプ
  • スパイトフルネス:たとえその行動が自分に何か不都合を伴っても、社会的、経済的、肉体的に他人をいたぶることを優先するタイプ
  • セルフインタレスト:地位や名誉、学歴や所有物など社会的に価値を置くモノの為なら手段を選ばず追求していくタイプ
  • ナルシシズム:いわゆる「自分大好き人間」で、自分を高めたりよく魅せる為なら手段を選ばず追求していくタイプ
  • マキャベリズム:自分の利益の為なら他人を操ったり、冷酷な態度をとっても構わないと考えるタイプ
  • モラルディスエンゲイジメント:倫理的、道徳的に外れた根強い考えを持つタイプ
 

ここでは既存の3タイプに併せて6つの要素がプラスされていますね。よく見てみると、それぞれ似通った部分が結構あるのが分かるかと思います。
 
 
実際にこの研究では4つの実験を行っていて、それぞれ304~2659名を対象に「ダークファクター」の有効性や互いの関係性などを調べています。そしてその結果分かったことをまとめると、次のような感じです。

 

  • ダークファクターはどれか1つにのみ収まることはなくて、基本は複数以上の要素と組み合わさる
  • ダークファクターにより多く当てはまる人は、自分の為にお金を取っておいたり、持ち金を最大化する為にズルをする傾向も見られた
  • ダークファクターの間にはお互いかなり強い相関が見られた

 

ここで大事なのは、ダークファクターは実際の実験でも自己中心的な考えや倫理に反する行動とのつながりが確認できたこと、お互いが強く関わりあっていてどれか一つでは説明しきれないこと、ですね。
 
 
また他にも、ダークファクターには次のような共通点があることも判明したようです。

 

ダークファクターに共通するコンセプト
  • 自分の目的の達成を最大化する為ならば、他人を無視したり、受け容れたり、意地悪したりすることもいとわず、こうした信念を正当化する考えすら見られる。
 

つまりダークトライアドの性格特性を持つ人が、周りに迷惑をかけたり悪事を働くのには、「自分の達成したい目的の為」というシンプルなモチベーションが根っこにあったんですね。
 
 
例えばナルシストなら「自分をよく魅せるため」で、エゴイストなら「自分の快感や立場のため」といった具合です。その目的はタイプによって違いますが、根底の動機は一緒だと。
 

注意点・まとめ

他に注意しておくべき点も幾つかまとめておくと、

 

  • 「セルフインタレスト」はダークトライアドを説明する要素として比較的弱め:セルフインタレスト自体の定義が広くて、ダークトライアドの特性外でむしろ他人に利益をもたらすことも考えられるから。例えば、他人の利益の為に動くことが廻りまわって自分の利益に繋がる!と考えているタイプはむしろポジティブだし、現にセルフインタレストと他人の利益を大事にする気質の間に相関が見られたという報告も過去にある。
  • 「ナルシシズム」もダークトライアドを説明する要素として比較的弱め:こちらはナルシスト度を測定した診断ツールが影響している可能性が高くて、実際にはもう少し強い関係があると考えられる。

 

この辺りは細かいですが押さえておくとよろしいかと思います。まとめると、セルフインタレストはダークな部分だけでなくてむしろ光属性の一面もある、と。
 
 
では最後に重要なポイントだけ抜き出しておさらいしておきましょう。

 

9つのダークファクター
  • エゴイズム:他人やコミュニティを犠牲にしてでも、自分の立場や快感を最優先するタイプ
  • エンタイトルメント:「自分はもっと評価されるべき人間だ」「選ばれし人間だ」といった根強い感覚を持つタイプ
  • サイコパシー:愛情や自制心、他人への共感能力が著しく欠如していて、衝動的に行動しやすいタイプ
  • サディズム:自分の快感や支配力の誇示、欲求などのために他人を心理的、物理的、性的にいたぶるタイプ
  • スパイトフルネス:たとえその行動が自分に何か不都合を伴っても、社会的、経済的、肉体的に他人をいたぶることを優先するタイプ
  • セルフインタレスト:地位や名誉、学歴や所有物など社会的に価値を置くモノの為なら手段を選ばず追求していくタイプ
  • ナルシシズム:いわゆる「自分大好き人間」で、自分を高めたりよく魅せる為なら手段を選ばず追求していくタイプ
  • マキャベリズム:自分の利益の為なら他人を操ったり、冷酷な態度をとっても構わないと考えるタイプ
  • モラルディスエンゲイジメント:倫理的、道徳的に外れた根強い考えを持つタイプ
ダークファクターに共通するコンセプト
  • 自分の目的の達成を最大化する為ならば、他人を無視したり、受け容れたり、意地悪したりすることもいとわず、こうした信念を正当化する考えすら見られる。
 

ダークトライアドに加えて新しい6つの要素と、ダークファクターに共通するコンセプトは押さえておくとよろしいかと思います。

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赤羽(Akabane)

ダークファクターやダークトライアドについては他にもまとめてあるので、興味のある方は以下も併せてご覧ください。

ダークファクターやダークトライアドについてはこちらもどうぞ

参考文献&引用

#1 Moshagen, M., Hilbig, B. E., & Zettler, I. (2018). The dark core of personality. Psychological Review, 125(5), 656-688.