赤羽(Akabane)
目次
健康長寿に欠かせない「アブラナ科野菜」の二型糖尿病予防効果はいか程のものなのか?
まずアブラナ科の野菜って具体的にどんなの?というところをおさらい。
- ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、小松菜、白菜、大根、ケール、ワサビ、カブetc..
見るからに健康そうな野菜がズラリと並んでいますが、こうしたアブラナ科植物には強力な抗酸化作用を持つ野菜が沢山あります。体内の酸化はあらゆる生活習慣病の原因にもなるんで、ここを食い止めるのに効果的だと考えられます。
では実際のところ現時点でどこまでのエビデンスが出ているのか?この点の総まとめをがんの部位別に見ていきましょう。
アブラナ科の野菜の二型糖尿病予防効果はいかに?
アブラナ科&柑橘系→二型糖尿病リスクに効果あり?
2016年のメタ分析(#1)では、7件のコホート研究から306,723名を対象に、柑橘系、アブラナ科の野菜や果物の二型糖尿病リスクへの効果を調べていました。
調査は4.6〜24年の期間で行われて、この間に彼らの食事内容をチェック、柑橘系やアブラナ科の摂取量が多い群と少ない群でその後の発症リスクを比較していきました。
すると結果、アブラナ科の野菜を最も食べる人は、最も摂取量が少ない人より二型糖尿病リスクが16%低かったことが分かりました。しかもこの結果は、心疾患などの既往歴やアルコール、喫煙、BMIといった要素を調整した上でも見られました。
一方で柑橘系の摂取量は二型糖尿病リスクに影響なかったようです。
葉物野菜とアブラナ科野菜→二型糖尿病リスクに効果あり?
2018年のメタ分析(#2)では、11件の観察研究から754,729名を対象に、葉物野菜とアブラナ科野菜の二型糖尿病リスクへの効果を調べていました。
調査は4.6〜23年間で、この間に彼らの食事を調べつつ葉物野菜やアブラナ科野菜の摂取量が最大 vs. 最少で発症リスクはどう変わるか?を見ていく感じです。
するとこの結果、葉物野菜をよく食べる人は9%、アブラナ科野菜をよく食べる人は13%、二型糖尿病リスクが低かったことが分かりました。
注意点・まとめ
とここまでを見てみると、アブラナ科野菜は二型糖尿病リスクになかなか効果的な感じがしますね。
ただし注意点があって、今回含まれた研究はどれも観察研究なので、因果関係を証明するものではありません。また食事の調査方法もセルフレポートなので、主観が混じる分データとしての精度もちょっと落ちます。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 強力な抗酸化作用を持つアブラナ科野菜は、二型糖尿病をはじめあらゆる生活習慣病予防に効果的
- 大規模なまとめ的な研究を幾つか見てみても、アブラナ科の野菜を多く摂る人はそうでない人と比べて二型糖尿病リスクが低かった
- ブロッコリーやカリフラワー、キャベツ等アブラナ科野菜はじゃんじゃん食べよう!
こんな感じでしょうか。下手なサプリや流行りの健康食品をあたるより、やはり基本の野菜を押さえとくのが先決かと思います。
赤羽(Akabane)
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#1 Jia X, Zhong L, Song Y, et al. Consumption of citrus and cruciferous vegetables with incident type 2 diabetes mellitus based on a meta-analysis of prospective study. Prim Care Diabetes. 2016 Aug;10(4):272-80.
#2 Chen GC, Koh WP, Yuan JM, et al. Green leafy and cruciferous vegetable consumption and risk of type 2 diabetes: results from the Singapore Chinese Health Study and meta-analysis. Br J Nutr. 2018 May;119(9):1057-1067.