赤羽(Akabane)
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筋トレの追い込みテクニック「ドロップセット法」の科学的な効果とは?現時点で分かっているメリットも解説
ドロップセット法とは、普段の負荷で追いこんだ後に数秒の休憩を入れてすぐに低負荷で再び追い込む!これを繰り返すテクニックです。例を挙げると、以下のような感じです。
ドロップセットと通常セットの比較
- ドロップセット:1セット {1RMの80%で10回→重りを入れ替えてすぐに1RMの50%で~3回くらい or 限界まで!→休憩!}
- 通常セット:1セット {1RMの80%で10回→休憩!}
ドロップセットでは代謝ストレスの増大を狙っていて、通常セット後に低負荷セットをすぐにぶち込むことで筋肉への疲労蓄積がアップするんですね。
これがやってみると結構キツくて効いてる感があるんですが、実際のところはどうなんでしょうか?
ドロップセットの効果をまとめたレビュー研究によると…
2018年に筋トレ教授ことB・ショーンフェルド氏らがまとめたレビュー研究(#1)では、ドロップセット法の現時点でのエビデンスをざっと紹介してくれていました。
早速結論から見ていくと、こんな感じでした。
- ドロップセット法で筋肉への代謝ストレスが高まっていたり、筋肥大や時短の効果があるという報告は確かに幾つかあった
- 筋力アップ効果は全体的にパッとせず、筋肥大に関しても通常のトレーニングと比べて有意な効果がないとする実験結果もちらほら見られた
- ドロップセット法のデザインが実験ごとにバラバラなので、具体的にどんなメニューでこなせば効果的なのか?はハッキリしない
ここから言えるのは、ドロップセット法はトレーニングの時短や筋肥大を狙うのに効果的かもしれない!ということ。筋肥大に効果がありそうなのは、冒頭の代謝ストレスのくだりからも納得できるかと思います。
ただ上記の筋肥大が本当に代謝ストレス増大のおかげなのか?は確実ではありません。というのも、実験によってはドロップセット法をこなすグループと通常のセットをこなすグループの総ボリュームが揃えられていなかったからです。ドロップセット法で通常よりも筋トレボリュームが多い傾向があったので、単に数をこなしたおかげでは?とも考えられるわけですね。
注意点・まとめ
また注意点としては、現時点のエビデンスはどれも~6週間ほどまでの効果しか検証していない点は押さえておくとよろしいかと思います。つまり長期的な結果はどうなるか分からないということです。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- ドロップセット法とは普段の負荷で追いこんだ後に数秒の休憩を入れてすぐに低負荷で再び追い込む!を数回繰り返すテクニック
- 現時点のエビデンスを見てみると、時短&筋肥大に効果がありそうだ
- ただし実験によってドロップセット法のデザインがバラバラだったり、筋トレのボリュームが揃っていなかったりと正確な結果を出すのにはまだ課題が多いイメージ
こんな感じでしょうか。忙しくて時間が取れない人や筋肥大をメインターゲットにしている方は試してみてもいいかもしれません。
赤羽(Akabane)
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#1 Schoenfeld, Brad, et al. Can Drop Set Training Enhance Muscle Growth? Strength & Conditioning Journal: December 2018 – Volume 40 – Issue 6 – p 95–98.