赤羽(Akabane)
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運動を本格的に始めるのは中年からでも遅くはないかもしれないぞ
若い頃から運動習慣があればそれに越したことはないですが、歳をとって体の衰えを感じ始めてから、ようやく運動の重要性に気付く人は少なくないはず。
というわけでこの記事では、中年からの運動ってどうなの?という点を見ていきましょう。
イギリスの中高年齢者1.5万人を最長12年追いかけた研究結果
2020年にケンブリッジ大学が発表した研究(#1)では、イギリスに住む14599名の男女(40〜79歳)を対象に、1994〜2004年の間で彼らの生活習慣のデータの相関をチェックする調査を行なっていました。
でその後2016年までで彼らの総死亡件数も追跡しつつ、色々な生活習慣と早死にリスクにはどんな関わりがあるのか?を見ていったんですね。
すると結果、こんなことがわかりました。
- この間に3148名が亡くなった
- 調査開始時点に運動不足だとしても、その後5年ほどで「中強度の運動を週に150分」というガイドラインを満たしていれば期間中の総死亡リスクが24%低かった
- 心血管疾患に因る早死にリスクは29%、がんに因る早死にリスクは11%低かった
まとめると、中高年からでも長生きのための運動は決して遅くはない!ということが分かったんですね。具体的な運動の目安は、WHO(世界保健機構)が運動の最低ラインとして設定している「中強度の運動を週に150分」というラインでOKみたい。
また期間中の運動によるエネルギー支出量の変化を追っていくと、最初からずっと運動不足な人と比べて、途中からでも運動量を増やした人ではその後の死亡リスクはやはり低くなっています。元々運動習慣がある人も追加のメリットがあるようなので、こちらも維持し続けるのが大切かと思います。
注意点・まとめ
ただし注意点として、今回の調査結果はイギリス在住の人たちが対象である点は押さえておくとよろしいかと。つまり人種の違いもあれば、生活スタイルや文化も違うので、どこまで一般化できる内容なのか分からないということですね。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 運動は早死にリスクや生活習慣病のリスクを下げることが分かっている
- 今回の大規模な調査結果で、長生きのために運動を始めるのは中年からでも遅くはない可能性が示唆された
- 中年に差しかかって体の衰えを感じる方は是非運動を始めてみましょう
こんな感じでしょうか。やはり運動は健康の基本のキだということを改めて痛感させられる知見でした。
赤羽(Akabane)
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#1 Alexander Mok, et al. Physical activity trajectories and mortality: population based cohort study. BMJ 2019;365:l2323.