赤羽(Akabane)
目次
ホエイプロテインは筋トレ後の筋肉疲労回復にどのくらい効果があるのか?
早速ですが、この問題について参考になる研究が出ていたので中身を覗いてみましょう。
筋トレ後のホエイプロテインは筋疲労に効く?を調べたメタ分析
これは2018年にリムリック大学が発表したメタ分析(#1)でして、トレイニーがよく飲むホエイプロテインは筋肉の疲労に効くの?を調べたもの。
具体的には、8件の研究から13件のRCT集めて、152名のトレイニー/未経験者(92%が若い男性)を対象にしていて、彼らを次のようなグループに分けました。
- ホエイプロテイングループ..トレーニング後にホエイを摂取する(前後、数時間後、食事と一緒に摂った実験もあり)
- 比較グループ..カロリーを揃えた炭水化物、プラセボドリンク(味つきの水、ミルクとか)を摂取する
で具体的に行ったトレーニングなど詳しい内容は、ザっと以下の通りです。
・一回のホエイ補給量は大体25gほど(20~120g)
・筋肉の疲労レベルは実験後の脚の筋力を参考にした
・8件中5件がCK(クレアチンキナーゼ)を測定
ちなみにCKというのは筋肉が受けたダメージのレベルを測る時に使われるメジャーでして、こいつが高いとまだ筋肉にダメージが残っている状態です。
以上踏まえて結果はこんな感じになりました。
- ホエイグループでトレ後24~96時間の筋肉機能低下がまあまあ抑えられていた
- CKの数値には優位な効果なし
- 筋肉痛にも優位な効果なし
*24時間..ES = 0.4 [0.1, 0.8], z = 1.83, p = 0.067
*48時間..ES = 0.4 [−0.1, 0.9], z = 1.35, p = 0.176
*72時間..ES = 0.7 [0.2, 1.3], z = 1.35, p = 0.025
*96時間..ES = 0.4 [−0.1, 0.9], z = 1.36, p = 0.174
→全体的に小~中の効果!
ということでホエイプロテインには全体的に小~中程度の筋肉疲労改善効果があるようです。しかし一方でCKなどの筋ダメージには効果がなかったことから、具体的なメカニズムはよくわかっておりません。
ちなみに当研究で使用されたホエイは主にアイソレートか加水分解ペプチドタイプのものでした。これらのタイプはホエイの中でもたんぱく質含有率が高め(≒質が高い)ですので、他のタイプだと同じ効果が得られるのか?も不明。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Davies RW, Carson BP, Jakeman PM,”The Effect of Whey Protein Supplementation on the Temporal Recovery of Muscle Function Following Resistance Training: A Systematic Review and Meta-Analysis.“,Nutrients. 2018 Feb 16;10(2).