赤羽(Akabane)
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オーツ麦がストレス下での認知機能を改善してくれるかも
オーツ麦(えん麦)は麦の一種で、水溶性のβグルカンを始めとした食物繊維やミネラル、ビタミンB群などが豊富です。トレイニー御用達のオートミールはこのオーツ麦が原料になっています。
オーツ麦が認知機能や気分の改善にも役立つ?
2020年にノーサンブリア大学が発表したRCT(#1)によると、オーツ麦はストレス下での認知機能や気分の改善に効果的かも!ということがわかりました。
この研究では、132名の男女(35〜65歳)を対象に、彼らを無作為に以下4つのグループに振り分けるという実験を行っていました。
- 少量のオーツ麦: 「cognitaven®」というオーツ麦製品を毎日430mg飲む
- 中量のオーツ麦: 同製品を毎日860mg飲む
- 多量のオーツ麦: 同製品を毎日1290mg飲む
- プラセボ: オーツ麦製品に似せた効果のないサプリを毎日飲む
実験期間は4週間で、参加者にマルチタスクをやらせて脳に負荷をかけるという内容。そして、実験初日と最終日に、サプリを摂る前・摂取後2時間・4時間の時点で認知機能(ワーキングメモリや情報処理能力など)や気分をチェックするという流れでした。つまり、初日の結果で即効性の効果を、最終日の結果である程度の期間を経ての効果を検証しているんですね。
その他、認知テストの合間などに心拍数やガルヴァニック皮膚反応、唾液サンプルの採取も行ってストレス度合いを測定したようです。
すると実験の結果、ザッと以下のようなことが分かりました。
- 初日には、オーツ麦を1290mg飲んだグループでのみ、4時間後にプラセボと比較してワーキングメモリの性能が有意に高まっていた
- 最終日には、オーツ麦を430mgと1290mg飲んだグループで、プラセボと比較してワーキングメモリの性能が有意に高まっていた
- その他の認知機能テストや、気分、心拍数、ガルヴァニック皮膚反応の結果にはグループ間で目立った差は見られなかった
まとめると、オーツ麦を摂っていたグループでちらほらワーキングメモリの改善が見られた!と。一方で、気分などに関してはどのグループも大した差は見られなかったようです。
ただ、詳しくみてみると、最終日のガルヴァニック皮膚反応では、1290mgのグループで他グループよりも顕著に低い結果が出ていました。つまり、多量のオーツ麦を摂り続けることで、ストレスを掻き立てる刺激に対しても落ち着いていられたということになります。
注意点・まとめ
ただし注意点として、ザッと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 実験期間は短い: 四週間までの結果しか出ておらず、長期間の効果は不明
- 出資バイアスの恐れがある: 実験内で使われたオーツ麦のサプリは、研究チームの企業の製品で、自社製品に都合の良いデータになっている可能性は否定できない
実験のデザインが良いだけに、出資バイアスの問題が惜しいですね。とはいえ、単体の実験としてはなかなか質の高い内容だったかと思います。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- オーツ麦が脳に負荷がかかっている時の認知機能を改善してくれるかも
- 今回の実験では、オーツ麦を多量に摂取するグループで、短期的だが、少ない量やプラセボよりも認知機能の改善効果が確認された
- 一方で、気分やストレスに対する緊張反応などには大した効果は見られなかったり、オーツ麦の摂取量によって認知機能への効果もバラついていたりした
赤羽(Akabane)
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#1 Kennedy DO, Bonnländer B, Lang SC, et al. Acute and Chronic Effects of Green Oat (Avena sativa) Extract on Cognitive Function and Mood during a Laboratory Stressor in Healthy Adults: A Randomised, Double-Blind, Placebo-Controlled Study in Healthy Humans. Nutrients. 2020;12(6):1598. Published 2020 May 29. doi:10.3390/nu12061598