【BCAA, EAA】アミノ酸系サプリと筋トレで変形性関節症持ちの高齢者はどこまで肉体改造できるのか？

赤羽(Akabane)

今回は「アミノ酸系サプリ+ 筋トレで変形関節症持ちの高齢者の体型や機能性を改善できるか？」というお話です。

アミノ酸系サプリと筋トレで変形性関節症持ちの高齢者はどこまで肉体改造できるのか？

2020年に国立台湾大学が発表した系統的レビュー&メタ分析(#1)によると、下肢に変形関節症を抱えた高齢者にもアミノ酸系サプリ+筋トレは効果的であることがわかりました。

この研究は、6件のRCTから中等~重度の変形関節症を抱えた242名分(平均67歳)のデータを集めたもので、それぞれの実験では参加者を以下のグループに無作為に振り分けています。

*筋トレのプログラムは、グループで揃えられた。週2~3回の楽なものから、毎日2回という頻繁なプログラムもあった

実験期間は2~7週間で、測定項目には筋肉量と筋力、主観的な痛み、体の機能性(歩行機能、椅子から立ち上がる、etc)、体内の炎症性サイトカインなどが含まれました。

そして上記の分析結果をまとめると、以下のようなことがわかりました。

結果

アミノ酸系サプリ+ 筋トレのグループで比較グループよりも有意に筋肉量が増加していた (標準化平均値差 = 1.13, 95% CI: 0.72–1.53, p ＜ 0.00001; I2 = 0%)
*有意に筋力も増加していた (標準化平均値差 = 0.44, 95% CI: 0.03-0.85, p = 0.04; I2 = 52%)
有意に主観的な痛みの度合いも和らいでいた (標準化平均値差 = 1.36, 95% CI: 0.68–2.03, p ＜ 0.00001; I2 = 54%)

* 変形関節症を患っていた術後の脚の筋力

ザックリと、BCAAやEAAサプリを飲みつつ筋トレをすると、変形関節症の術後の高齢者の体を改善する効果が見られた！と。

また、参加者の歩行機能や立ち上がり運動、階段の昇り降りといった日常生活の動作も有意に改善していて、リハビリとしても有効である可能性が示唆されました。

ただし注意点として、ザッと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意

実験によって摂取量も摂取形式もバラバラ: 一回の筋トレでBCAAを3g摂取するものもあれば、20gのEAAを一日2回摂取するものもあって、量も形式も異質。その分、データとしては大雑把になる
サンプルサイズは小さい: 筋トレの実験にありがちな問題で、各実験の参加者が少ないので、統計的なパワーは弱い
実験期間が短い: 最大で7週間までの結果しか出ていない為、もっと長期の結果はどうなるか分からない

全体的に含まれた実験内容がバラバラなんですが、意外と効果の値はそれ程バラついていないんですよね。BCAAやEAAのサプリと筋トレの組み合わせで、変形関節症持ちの高齢者でも筋肉や体の機能性が改善できる！というのは間違いなさそうです。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント

アミノ酸系サプリと筋トレで変形性関節症持ちの高齢者の筋肉が発達し、体の機能や痛みも改善した
筋トレの内容は揃えつつ飲むサプリの中身を【アミノ酸系サプリ vs. プラセボ】で戦わせたところ、前者で筋肉の発達や日常生活に必要な動作、主観的な痛みを改善する有意な効果が確認された
ただし実験期間が短いので長期的な結果が分からないのと、サプリの中身がバラバラなのでどんな用法容量で飲むのがベストか？といった詳しいことは分からない

赤羽(Akabane)

EAAサプリを使った実験ってあまり見かけなかったので、個人的には興味深い内容でした。高齢者の筋力に関して言うと、HMBサプリも衰退を遅らせるのに効果的みたいです。