赤羽(Akabane)
今回は「グルタチオンって何?」というお話です。
目次
強力な重金属キレート&抗酸化作用を持つ「グルタチオン」とは?アミノ酸との関係から5つの効能まで
では早速、2014年のレビュー研究(#1)を参考に中身を覗いてみましょう。
グルタチオンとは?5つの効能とは?
グルタチオンは3つのアミノ酸から構成されている物質で、いわゆるトリペプチドです。
体内では細胞内に「還元型」「酸化型」の2つの形態で多く存在しています。ちなみに体の状態が良好な時は、還元型が多い割合を占めています。
ではこのグルタチオン、体内でどんな働きをしてくれるんでしょう?ざっと見てみると、こんな感じです。
グルタチオンの5つの効能
- 酸化ストレスから体を守る:強力な抗酸化作用があって、フリーラジカルなどの酸化反応を無効化して体や細胞を守る
- 重金属をキレートする:水銀などの重金属をキレートする効果があって、脳や細胞から排出する
- アルコールから体を守る:アルコールが体内で「アセトアルデヒド」という毒素になるが、これを分解する酵素の材料になる
- 残留性有機汚染物質から体を守る:体内に蓄積した有機汚染物質を体内から排出する
- ビタミンCとEを再生成する:抗酸化ビタミンCやEがリサイクルされて、こちらも抗酸化作用を発揮してくれる
簡単にまとめると、グルタチオンは体内の酸化ストレスを無効化したり、その他有毒物質まで無毒化する働きがあるんですね。体に悪い要素を徹底的にお掃除してくれるイメージ。
グルタチオンはどうやって作られる?
では次にグルタチオンが体内で作られるまでの経路について。これについては3つの経路があります。
- デノボ合成:酵素「グルタミンシステインシンテターゼ」と「グルタチオンシンテターゼ」の働きで合成する
- 酸化グルタチオンの還元:グルタチオン還元酵素の働きによって酸化グルタチオンを還元グルタチオンに再生成する
- 活性グルタチオンからシステインをリサイクル:転移酵素(グルタチオンに変換する際必要)によって活性グルタチオンからシステインをリサイクルして再合成する
こうした細かい経路までは覚える必要はありませんが、その過程で材料になるアミノ酸「システイン」の量が特に大事!という点は押さえておくとよろしいかと思います。
まとめ
では長くなったので一旦まとめです。
ポイント
- グルタチオンはアミノ酸「グリシン」「グルタミン酸」「システイン」から成るトリペプチド
- 細胞に多く存在して、強力な抗酸化&キレート作用で体内の毒素や酸化ストレスを無効化・無毒化する
- 生成過程では特に「システイン」が重要になる
この辺りを押さえておけば問題ないかと。グルタチオンは健康や長生きにあらゆる場面で活躍するので、覚えておくと良さそうです。
赤羽(Akabane)
次回はグルタチオンを増やすサプリや食品について具体的に触れていきます。興味のある方は併せてご覧ください。
グルタチオンについてはこちらもどうぞ



参考文献&引用
#1 Joseph Pizzorno. Glutathione! Integr Med (Encinitas). 2014 Feb; 13(1): 8–12.