赤羽(Akabane)
目次
メタ認知を鍛える基本!「自問テクニック」の具体例
まずはメタ認知のおさらいだけしておきましょう。
メタ認知とは?
メタ認知はよく「思考を思考すること」だと言われます。これをイラストイメージで表すとこんな感じでしょうか。
某アニメのキャラクターよろしく「もう一人のボク」的な視点から、自分自身の考えていること自体を思考する、と。これによって、自分のことを客観的に見れたり、感情や思考の流れを把握して冷静になれたり、あらゆるメリットが見込めるんですね。
でこのメタ認知を習慣づけるのによく言われるのが、「自分に問いかける癖をつけること」です。一番シンプルな問いだと、
といった感じ。わざわざこんなことをする理由は、自問することで、今の自分の思考を観察するように意識を向けられるからです。
メタ認知力を高める自問テクニックの具体例
メタ認知力を高めるには自問を繰り返そう!ということですが、ここでは自問テクニックの具体例を見ていきましょう。
参考文献は2012年にサンフランシスコ州立大学が発表したレビュー研究(#1)で、学習効率を上げるためのメタ認知自問テクニックをたくさん挙げてくれています。ここでは学校の授業に臨むメタ認知学習を例に自問テクニックをザっと見ていきましょう。
メタ認知力を高める「自問」:計画編
- この授業の目標は何だ?
- このトピックについて自分は何を知っている?
- この授業について自分はどんな準備が出来る?
- 授業中どこに座ってどんな姿勢で話を聴けば最適か?
- このトピックについて今どんな疑問があるだろう?
メタ認知力を高める「自問」:モニタリング編
- この授業を受けていてどんな知見を得ただろう?何につまずいているだろう?
- どんな疑問が湧いた?分からないことは紙に書き出してみようか?
- このトピック、ぶっちゃけ面白い?理由は?どうやったらこのトピックを自分に結び付けられる?
- 大事な情報は細かいところからしっかり区別出来てる?どうやったらうまく理解できるだろう?
メタ認知力を高める「自問」:評価編
- 今日の授業はどうだった?
- 今日の授業で、受ける前に思ってたことと違うことはあった?
- 今日習ったことで前の授業の内容と結びつけられることはある?
- 分からない部分をハッキリさせるため、複雑なところを明確にするために今出来ることは何だろう?
- 今日の授業で一番面白かったのは何だろう?
ザっと見てもかなり細かいところまで自問しているのが分かりますね。これは授業を受ける時の学習効率を上げる自問ですが、
- 感情が昂った時に自分を客観的かつ冷静に見つめる自問:「今自分はちゃんと頭を使える状態だろうか?」
- マルチタスクで忙しく感じる日々に目の前の出来事をマインドフルに愉しむ自問:「食事しながらスマホをいじったら料理の味を本当に愉しめるか?」
- スポーツでフォームの崩れを正す自問:「今のこのフォームは普段の基本姿勢と同じものか?」
応用次第でこういった全く違う状況にも対応できます。普段から自問する癖をつけておくことは、実はかなり汎用性が高いスキルなんですね。
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 Kimberly D. Tanner. Promoting Student Metacognition. CBE Life Sci Educ. 2012 Summer; 11(2): 113–120.