赤羽(Akabane)
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筋肉のためにベストな摂取量の”2倍”のタンパク質を摂るとどうなるのか?
最近では、筋肉の発達に最適なたんぱく質の量なんかもまとまった研究から分かってきています。2018年のメタ分析によると、現段階ではこんな結果が得られています。
- 一日当たり1.62g/kg(1.03~2.2g/kg)までが筋肉の成長を促した!
つまり、体重60kgの方なら【60×1.62と60×2.2】で一日当たり97.2~132gのタンパク質を摂るのがベストだということですね。以上を踏まえて本題に入りましょう。
ベストな摂取量の2倍のプロテインを摂ったらどうなる?
といったところで、今回は「科学的にベストなたんぱく質摂取量の2倍以上を摂り続けたら筋肉はより育つのか?」問題を調査。この問題で参考になるのが、2014~2015年にノバ・サウスイースタン大学教授らが発表した研究(#1,#2)。それぞれザックリした内容を見ていきましょう。
2014年研究概要(#1)
- 30名の男女対象(筋トレ経験アリ、平均24.1±5.6歳、男:19 女:11)
- 実験期間8週間で2つのグループに分かれる
- 高たんぱく質グループ…一日4.4g/kgのたんぱく質を摂取する
- ノーマルグループ…一日1.8g/kgのたんぱく質を摂取する
- タンパク質以外はそれぞれ同じ栄養バランス、筋トレメニューを続けてもらう
- 体重、体脂肪率、脂肪量などを測定
2015年研究概要(#2)
- 48名の男女対象(筋トレ経験アリ)を以下のグループに分ける
- 高たんぱく質グループ…一日3.4g/kgのたんぱく質を摂取する
- ノーマルグループ…一日2.3g/kgのたんぱく質を摂取する
- 実験期間は8週間で、週に5日の筋トレを続けてもらった(月~金、部分毎の筋トレ)
- 体重、除脂肪体重、体脂肪率、脂肪量、スクワットとベンチプレスのMAX重量、垂直跳び、幅跳び、プルアップなどを測定
どちらも上で紹介した最適なタンパク質摂取量を遥かに超えております。もしたんぱく質は摂れば摂るだけイイ!というのなら、これで参加者らはバキバキになることでしょう。結果はこんな感じになりました。
2014年研究概要(#1)
- どちらのグループも筋肉量を増やすことに成功!(高たんぱく:1.9±2.4kg ノーマル:1.3±2.0kg)
- 高たんぱく質グループは実験終了時摂取カロリーが多かった(2835±865kcal vs 2052 ±532kcal)
- どちらも体型の変化に大差なし!
2015年研究概要(#2)
- どちらも筋力パフォーマンスの結果はアップしたが、グループ間で大差はなし!(MAX重量、垂直跳び、プルアップ)
- 高たんぱく質グループで脂肪、体脂肪率が減った!
- 高たんぱく質グループは実験終了時摂取カロリーが多かった(2614 ± 80kcal vs 2119 ± 57kcal)
結果をまとめると、筋肉の為にたんぱく質を大量摂取しても、それなりに摂取していた人々と結果は大差なし!ですね。ただ片方の研究では、高たんぱく質グループにおいてのみ脂肪が優位に減っておりまして、もしかするとカッコいい体を作るのには向いているのかも。
赤羽(Akabane)
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#1 Jose Antonio, Corey A Peacock, Anya Ellerbroek, Brandon Fromhoff ,Tobin Silver,”The effects of consuming a high protein diet (4.4 g/kg/d) on body composition in resistance-trained individuals“,Journal of the International Society of Sports Nutrition201411:19.
#2 Antonio J, Ellerbroek A, Silver T, Orris S, Scheiner M, Gonzalez A, Peacock CA.,”A high protein diet (3.4 g/kg/d) combined with a heavy resistance training program improves body composition in healthy trained men and women–a follow-up investigation.“,J Int Soc Sports Nutr. 2015.