高強度インターバルトレーニング(HIIT)で心肺機能を高めるのに最低限必要な時間・強度・期間とは?

高強度インターバルトレーニング(HIIT)で心肺機能を高めるのに最低限必要な時間・強度・期間とは?

赤羽(Akabane)

今回は「心肺機能を高めるHIIT」についてのお話です。

高強度インターバルトレーニング(HIIT)で心肺機能を高めるのに最低限必要な時間・強度・期間とは?

HIITは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング」の略で、文字通り数秒〜数分単位で高強度のトレーニングと休憩を交互に繰り返す運動のことです。

こうした運動は心肺機能を改善したり、時短しながら脂肪を燃やせる!として近年評判でありますが、この記事では心肺機能アップを狙う場合のメニューについて詳しく見ていきます。

心肺機能を高めるHIITは5分以内でパッと済ませるのでOKみたいだ

2020年に中国の福建師範大学の教授らが発表したメタ分析(#1)によると、心肺機能を改善するためには短時間でパッと済ませるメニューでも充分みたいです。

この研究は53件のRCTから1514名(19〜47歳)を対象に、HIIT vs. 中強度の持久力トレー二ング or 何もしないグループという構図で最大酸素摂取量の変化を比べたものです。

参加者は標準/太り気味/肥満体型の運動習慣がない人からアスリートまで幅広く含まれていて、種目はランニングやサイクリング、水泳、ロウイング、ウォーキングなどだったみたい。実験期間は2〜16週間で、1バウトは8秒〜10分、1セッションは20秒〜40分。

そしてHIITの時間や強度、期間といった変数ごとに効果を見ていったところ、まず全体で以下のようなことが分かりました。

結果
  • HIITは何もしない場合と比べると最大酸素摂取量の改善効果が大だった
  • 中強度の持久力運動と比べると、小~中くらいの効果だった
  • こうした効果は標準/太り気味/肥満体型からアスリートまで、程度に差はあれど一貫して見られた(アスリートより普段運動をしていない人ほど効果は高かった)

まとめると、対象者の特徴に関係なく、HIITは一貫して心肺機能を改善する効果があったんですね。ただ中程度の運動と比べた場合は、2分以上のインターバルを設けて、一回15分以上のトレーニングを4~12週間で行うという条件でのみ、上回る効果が確認されたみたいです。

そしてHIITの時間や強度、期間といった変数を見てみると、心肺機能を高めるには以下のレベルのHIITでも十分だったようです。

  • 30秒のインターバル
  • 5分以下の短時間
  • 4週間以下の短期間

割とコンパクトにまとまっていますね。全体の期間も短期勝負ですし、一つずつのトレーニングもタバタ式みたいに短めにセットされています。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、ザっと以下の点も押さえておくと良さそうです。

注意
  • 研究1件ずつのサンプルサイズは小さい:HIITグループの参加者は1件につき6~34名程度しかいなかったため、統計的なパワーは弱い
  • 出版バイアスの恐れがある:HIITのメリットを報告する研究ばかり集まっていて、結果がいい方向に傾いている可能性がある
  • 結果のバラつきはやや大きい:HIITの最大酸素摂取量への効果にはバラつきが見られる

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 心肺機能を高めたり健康効果も期待されるHIIT(高強度インターバルトレー二ング)
  • HIITはどんな内容でも標準/太り気味/肥満体型、あらゆる対象者で心肺機能アップ効果があった
  • より心肺機能向上を狙うなら15分以上の長丁場で行うのがベターだが、時短効率などを考えると、1回5分以下でコンパクトにまとめてもOKみたいだ

こんな感じでしょうか。HIITへの関心は近年高まってきていますので、ご参考になれば幸いです。

赤羽(Akabane)

HIITで争点になる時間効率の問題でした。今回の結果からは、どうやらかなりコンパクトにまとめても心肺機能アップは十分狙えるということが分かりました。その分インターバルも少なくなって、一回一回のバウトはキツくはなりますが..(笑) ちなみに私も10分くらいにまとめて週1~2回実践しています。

参考文献&引用

#1 Daizong Wen, et al. Effects of Different Protocols of High Intensity Interval Training for VO 2 Max Improvements in Adults: A Meta-Analysis of Randomised Controlled Trials. J Sci Med Sport, 22 (8), 941-947 Aug 2019.