赤羽(Akabane)
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新型コロナウイルス(COVID-19)は症状が治った後も数日間は体内に残る!という研究結果
2019年12月下旬に中国の武漢で初の感染者が出てから、瞬く間に世界各国に広がった新型コロナウイルス(COVID-19)。
この記事では、COVID-19は症状が治った後もしばらくは油断できない!というデータを共有します。
COVID-19は症状完治後も数日間体内に残るかもしれない
2020年3月下旬に中国人民解放軍総医院が発表した研究(#1)によると、COVID-19は症状が完治した後も数日間は体内に残っていたことが判明したようです。
この研究は、上記の医院にCOVID-19感染患者として入院していた16名(中央値35.5歳)を対象にしています。彼らは少なくとも、PCR検査で2日間連続「陰性」となって退院していて、その後はしばらく自宅待機を命じられていました。
そして退院から1週間後にもう一度通院して、喉の粘膜を綿棒で採取してウイルスの陰性を確認したところ、以下のような結果になりました。
- 16名中8名が、症状の完治が確認された後もウイルスの陽性反応が出た
- 陽性反応は退院から中央値で2.5日間、最大で8日間後にも確認された
- 患者らのウイルスの潜伏期間は5日間で、症状は平均で8日間続いた
まとめると、一旦症状が完治して陰性が確認された後でも、COVID-19は最大で8日間潜伏する!という可能性が示唆されたんですね。つまり、症状完治&2日続けて陰性!という安心できそうなところまで回復しても、その後2週間くらいは「自分はまだ保菌者かもしれない..」と用心した方が良いのかも?と。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザッと以下の点は押さえておくとよろしいかと。
- サンプルサイズは小さい:確証を得るには患者のデータがまだ少ない
- 含まれた患者の大半が若者や男性:高齢者や女性のデータが少ないので、こうした人でどうなるか?まではハッキリしない
- 中程度~重度の患者では結果が違うかもしれない:今回含まれた患者はみんな「軽度」判定だったので、より症状が重い患者ではどんな結果になるかは不明
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- COVID-19は症状が治った後も数日間は体内に残って感染力があるかもしれない
- 中国北京の病院を舞台にした研究では、症状が完治して2回陰性が出ていた患者でも、その後最大8日間までウイルスが潜伏していた
- COVID-19は完治して陰性判定になった後も、しばらくは大事を取って隔離した方が良いのかも?という可能性が示唆された
赤羽(Akabane)
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#1 Chang D, Mo G, Yuan X, et al. Time Kinetics of Viral Clearance and Resolution of Symptoms in Novel Coronavirus Infection [published online ahead of print, 2020 Mar 23]. Am J Respir Crit Care Med. 2020;10.1164/rccm.202003-0524LE.