赤羽(Akabane)
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「不眠症」が細かく5つのサブタイプに分けられることが判明!
不眠症は、近年では日本でも10人に1人が不眠症の可能性があると言われていたりしますし、他人事ではないかもしれません。
というわけで、上記テーマについて早速新しいデータを見ていきましょう。
不眠症に見られる5つのサブタイプを報告する研究が医学論文雑誌の権威「ランセット」の姉妹雑誌に降臨!
2019年に医学界の覇権雑誌『LANCET(ランセット)』の姉妹雑誌に掲載された研究(#1)によると、不眠症には5つのサブタイプがある!ということが分かったようです。
ザっと研究の概要だけおさらいしておくと、こんな感じでした。
- オランダ睡眠レジストリというデータベースから2010~2016年に調査対象となった4322名が対象
- そのうち2224名は不眠症の疑いがあり、2098名は不眠症スコアが低めだったので比較グループとした
- 2224名のうち更に215名を平均4.8年間追跡調査した
ちなみにオランダ睡眠レジストリとは、18歳以上を対象に遺伝や睡眠、人生の出来事、健康にまつわる調査をしているデータベースのこと。
そしてここから、不眠症は大きく分けて次の5つに分かれることが分かりました。
- タイプ1..とても深刻なタイプ
- タイプ2..結構深刻だが報酬に対して快感を感じるタイプ
- タイプ3..結構深刻で報酬にも快感を感じないタイプ。
- タイプ4..そこそこ深刻で周りの環境や起こる出来事に敏感タイプ
- タイプ5..そこそこ深刻で周りの環境や起こる出来事に敏感ではないタイプ
なんだかイメージしづらいですが、つまり不眠症にもハッキリと深刻度や特徴がある!ということ。これまでは「不眠症」という言葉で一緒くたにされてきたので、これは不眠症治療にも希望の光となる発見です。
そして各サブタイプについて詳しく見てみると、それぞれ以下のような特徴があるようです。
- 主観的幸福度が低い
- ネガティブな感情が浮かびやすい
- 寝る前に目が冴えて興奮してしまう
- 不眠症によってストレスに敏感になってしまう
- タイプ1ほどではないがネガティブ感情はそこそこ高め
- タイプ1ほどではないが寝る前に目が冴えて眠れないことも
- ポジティブ感情が少なくて眠れない
- 主観的な幸福度もタイプ1並みに低い
- ネガティブ感情やストレスへの反応はそれ程高くない
- タイプ2と同じレベルで寝る前に目が冴える
- ネガティブ感情や主観の幸福度には問題はない
- 疲労感が高いタイプ
- 人生の出来事が眠りに影響する事が多い
- 幼少期のトラウマが眠れなくするケースが多い
- ネガティブ感情や主観の幸福度には問題はない
- タイプ4程ではないが人生の出来事が眠りに影響することが多い
- アクションを起こすモチベーションが低いことがメンタルに影響を与えている
ちなみに、「このサブタイプには何か裏付けがあるの..?」という問題ですが、今回のサブタイプについては実際に研究結果としてもこんな感じで支持されていました。
- 不眠症の疑いがあった2224名のうち215名を約4.8年間追跡したところ、彼らの不眠症サブタイプは追跡期間中も87%の割合で保ち続けた
つまり今回のサブタイプはちゃんとデータの傾向としても確認された、と。これからの追加研究にも期待ですね。
赤羽(Akabane)
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#1 Tessa F Blanken,Jeroen S Benjamins,Denny Borsboom,Jeroen K Vermunt,Casey Paquola,Jennifer Ramautar,”Insomnia disorder subtypes derived from life history and traits of affect and personality“,LANCET,January 07, 2019.