赤羽(Akabane)
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電子タバコに関連する肺の損傷の症例が新たに報告されたみたいだ
電子タバコは従来のタバコよりも健康面へのデメリットが少ない!というのがウリになっていますが、前回はこの点についてまだはっきりとしたことは言えませんでした。
というわけでこの記事では新しく報告された電子タバコに関するデータを紹介します。
医学雑誌「ランセット」に掲載!電子タバコに関する肺への症例が新たに60件報告される
2020年に権威的な医学雑誌「Lancet(ランセット)」に掲載された研究(#1)によると、電子タバコに関連した肺損傷が新たに報告されてきているぞ!とのことです。
この研究はアメリカのユタ州にあるヘルスケアシステムを対象に、2019年の3ヶ月間で起きた電子タバコやVaping関連の肺損傷症例を調査したものです。
すると13カ所の病院や外来から60名がヒットして、彼らについて退院後2週間も追跡したところ以下のようなことがわかったようです。
- うち33名はICU(集中治療室)に入った
- うち6名は退院後再びICUに入っていた
- うち2名はその後亡くなっているが、電子タバコが直接の原因ではない
まとめると、電子タバコが関係していそうな肺へのダメージが数ヶ月の間でも数十件、深刻化する例もちらほら見られたんですね。
また他にも、53名が体質性症状(発熱や頭痛など)を訴えていたり、59名が呼吸器症状を訴えていたりしました。大半の患者が何かしらの体の異常を訴えていた、ということですね。
注意点・まとめ
ということで、電子タバコの健康面での安全性はかなり怪しくなってきたように思います。有害物質が少ない!という主張も、少なければ健康へのリスクもその分減ってくれるのか?という問題がありますし…。
ただ注意点としては、今回の結果はあくまで電子タバコと関わりがありそうな肺損傷データをピックアップしています。つまり両者の間にはっきりとした因果関係が特定されたわけではないので注意です。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 電子タバコに関連する肺の損傷症例が報告されていた
- 他にも電子タバコの安全性に疑問を呈するような報告はちらほら出始めている
- 有害物質が通常のたばこより少ないからといって、健康面へのリスクも減るとは限らない
こんな感じでしょうか。電子タバコはクリーンなイメージがありますが、実際はそうでもないのかも…と。
赤羽(Akabane)
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#1 Denitza P Blagev, et al. Clinical presentation, treatment, and short-term outcomes of lung injury associated with e-cigarettes or vaping: a prospective observational cohort study. The Lancet, VOLUME 394, ISSUE 10214, P2073-2083, DECEMBER 07, 2019.