赤羽(Akabane)
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ルテインとゼアキサンチンを1年飲み続ければ認知機能が改善するかも!
ルテインとゼアキサンチンはカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用で眼の黄斑や水晶体などに多く存在し紫外線から目を守る働きがあります。食品ではほうれん草やケールなど緑黄色の野菜やフルーツ、卵黄などに豊富に含まれています。
というわけで、この記事ではルテインとゼアキサンチンの抗酸化作用が認知機能改善にも効くかも!というデータを見ていきましょう。
ルテインとゼアキサンチンの認知機能を改善する効果やいかに…?
2020年に東北大学とライオン株式会社が発表した共同研究(#1)によると、ルテインとゼアキサンチンの組み合わせで認知機能を改善する効果が見込めそうだ!とのことです。
この研究は7件のRCTをまとめた系統的レビューで、うち5件がルテインとゼアキサンチン、残り2件がアスタキサンチンの認知機能改善効果を検証したものです。アスタキサンチンはサーモンのあのピンク色素に代表されるカロテノイドで、こちらも強力な抗酸化作用があります。
各実験の中身をザッと確認すると、参加者は429名(平均21〜74歳)で、実験期間は12週間〜1年間、大まかには期間中にルテインを飲むグループとプラセボグループ(効果のない偽薬を飲む)に分けて認知機能の改善幅を比較していました。認知機能のテストは注意力や情報処理、短期記憶、反応速度などの性能をチェックするものでした。
ではこのレビューから分かったことをまとめてみてみましょう。
- 5件中3件でルテインとゼアキサンチンによって認知機能が改善していた
- 2件中1件でアスタキサンチンによって認知機能が改善していた
- ルテインとゼアキサンチンの組み合わせは特に若者や中年の視覚的なエピソード記憶に、アスタキサンチンは中年や高齢者の言語的なエピソード記憶に効果が見られた
まとめると、アスタキサンチンの方はまだエビデンスが少なくて何とも言えないですが、ルテインやゼアキサンチンの方はそこそこ認知機能への効果を期待してもいいのでは?という感じです。具体的には注意力やエピソード記憶に効果が見られました。
ちなみに実験で使用されたルテイン&ゼアキサンチンの量はそれぞれ10mgと2mgで、この量で1年近く飲み続けると効果が見込めそうです。
注意点・まとめ
ただし注意点も幾つかあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- 全体の研究数やサンプルサイズは小さい:7件の研究から数百名のサンプルなので統計的なパワーは弱い
- 加えて認知機能の指標はバラバラ:上記に加えて、認知機能の指標は各研究でバラバラなので、さらにサンプルが分散してしまってそれぞれの認知機能への効果は正確ではないかも
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチンはカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用がある
- 10mgのルテインと2mgのゼアキサンチンの組み合わせで認知機能を改善する効果がありそうだ
- アスタキサンチンについては2件しか実証研究がなくてまだまとまった見解は出せない
こんな感じでしょうか。ルテインとゼアキサンチン組み合わせは目だけでなく認知機能にも効くかもしれないぞ!と。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Rui Nouchi, et al. Effects of Lutein and Astaxanthin Intake on the Improvement of Cognitive Functions Among Healthy Adults: A Systematic Review of Randomized Controlled Trials. Nutrients, 12 (3) 2020 Feb 27.