系統的レビューとメタ分析の違いとは?どこまで一緒でどこから違うのか図解してみた

エビデンスベースド入門

系統的レビューとメタ分析の違いとは?どこまで一緒でどこから違うのか図解してみた

系統的レビューとメタ分析の違いとは?どこまで一緒でどこから違うのか図解してみた

今回は「系統的レビューとメタ分析の違いとは?」というお話です。
 
 
当サイトでもよく登場する「系統的レビュー」と「メタ分析」ですが、どちらも研究手法が似ていてごっちゃになりやすいです。
 
 
そこでここからは、①それぞれのおさらい②それぞれの共通点③それぞれの違いが分かるように順を追って説明していこうと思います。
 

メタ分析(メタアナリシス)とは?

メタ分析とは、ザっとこんな統計手法のことです。
 

メタアナリシスとは、解析の解析という意味であり、同一の研究テーマに関する複数の独立した先行研究(一次研究)を集めて、それらを統合して解析する統計的手法のことである。(#1)

 
図で簡単に表すとこんな感じでしょうか。

 
系統的レビューとメタ分析の違いとは?どこまで一緒でどこから違うのか図解してみた
 

よく主張の信憑性を担保するために「〇〇という研究結果が出ている」という謳い文句が使われますが、そんな時には出典元が全体の総まとめ的なメタ分析だと信頼性も上がります。
 
 
というのも、余程クッキリと明暗が分かれているテーマでもない限り、逆の主張を裏付ける結果が出ることもざらにあるからです。それを一つだけ拾って「科学的根拠あります!」と言われたところで、あまり信憑性がないことはハッキリしていますね。木を見て森を見ずとは正にこのことでしょう。
 
 
メタ分析は、しっかり行えばその時点のまとまった見解になり得るので、何かのテーマについて俯瞰的な傾向を見るのに最適な研究手法と言えましょう。
 

系統的レビューとは?

続いて系統的レビューとは、ザっとこんな統計手法です。
 

対象とする研究が選択されたら、それを統合して解析するのだが、その際に用いられる統計的手法がメタアナリシスである。そして、メタアナリシスを用いて研究を統合した論文を系統的レビュー(Systematic review)と呼ぶ。メタアナリシスと系統的レビューという言葉は、よく混同され、しばしば同義語として用いられるが、厳密には異なった概念である。

 
図で簡単に表すと、こんな感じでしょうか。

 
系統的レビューとメタ分析の違いとは?どこまで一緒でどこから違うのか図解してみた
 

これもメタ分析に似ていて、過去の関連研究を一手にまとめる点では同じです。こちらも研究を行った時点でのまとまった見解が得られるので、気になるテーマの全体像を掴むのに最適です。
 

メタ分析と系統的レビューの共通点・相違点まとめ

では両者の共通点と相違点をザっとまとめて見ていきましょう。

 

共通点
  • 基本的に複数の論文データベースを使って、テーマに合ったキーワードを選別して検索をかけていく作業がある点
  • ヒットした研究を対象に含む or 除外する条件をあらかじめ決めておいて、残った研究を分析・レビューにかけるという点
  • 関連研究を複数含んで総合的な見解を出している点
 

これらは研究の本題に入る前の選別の段階ですね。こうした段階ではまだ両者は同じようなプロセスを踏んでいます。
 
 
では次に両者の相違点を見ていきましょう。

 

相違点
  • メタ分析は定量的な分析によって結論を出している点
  • 系統的レビューは研究チームが一件ずつの研究結果をレビューしながら結論を出している点
  • つまり、定量的な結論なのか一通り結果をレビューしての結論なのかという違い
 

まとめると、両者の決定的な違いは「結論の導き方」にあるということです。メタ分析だと、よく結果の判断に効果量というものを使うことがありますが、この数値が基準より大きいと【統計的に有意な効果アリ】と判断できるんですね。
 
 
一方で系統的レビューでは、データベースから客観的に取り出した研究たちを研究チームが全部レビュー、それを踏まえて最終的な結論を出すといった流れになります。

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赤羽(Akabane)

この辺りはごっちゃになりやすいので、この機会にハッキリさせておくとよろしいかと思います。以下に系統的レビューを使った研究例と、メタ分析を使った研究例をそれぞれ載せておきますので、実際に出典元を読んでみるのもいいかもしれません。

メタ分析の例

系統的レビューの例

今回参考になった統計本はこちら

参考文献&引用

#1 原田隆之著『心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門』金剛出版、2015年。