クルクミンで運動の筋肉ダメージを回復させるための摂取量・タイミング

クルクミンで運動の筋肉ダメージを回復させるための摂取量・タイミング

赤羽(Akabane)

今回は「クルクミンと運動による筋肉のダメージ」についてのお話です。

クルクミンで運動の筋肉ダメージを回復させるための摂取量・タイミング

クルクミンはウコンやターメリックで有名な植物ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化&抗炎症作用があることが分かっています。

この記事では、クルクミンの上記の効果について更に一歩踏み込んだデータを見ていきましょう。

クルクミンサプリで運動による筋肉ダメージや炎症が回復!

2020年にバリャドリッド大学が発表した系統的レビュー(#1)によると、クルクミンのサプリで筋肉のダメージや炎症、酸化ストレスが回復することが分かったようです。

この研究は11件のRCTやランダム化クロスオーバー試験から237名を対象に、1〜56日の実験期間でクルクミンサプリの効果を検証したもの。参加者には、アスリートや運動習慣がある人から運動をしない人まで幅広く含まれました。

サプリの摂取量は1日150mg〜6000mgまで結構ばらばらで、タイミングは大半が運動の前後に飲んだみたい。運動の内容も筋トレから有酸素トレーニングまで色々含まれました。

そして実験前後でクルクミンの運動による筋肉ダメージや炎症などへの効果をチェックすると、こんなことがわかりました。

結果
  • 主観的な筋肉痛が緩和
  • 血中のクレアチンキナーゼやアスパラギン酸アミノ基転移酵素、アラニンアミノ基転移酵素が減少(筋肉のダメージが軽減)
  • 最大随意筋力や関節可動域などの筋肉のパフォーマンスが向上
  • TNF-α、IL-6、IL-8などの炎症性サイトカインが減少
  • 酸化ストレスへの効果は今回含まれた研究からはハッキリ見られなかった

まとめると、クルクミンで筋肉のダメージを鎮静化する効果が確認されました。ここまでは過去の研究とあわせて考えれば格段驚くことではありません。

そして更に詳しく見てみると、どうやらクルクミンが効果を発揮するのに適した条件が幾つか見つかったようです。

  • 主観的な筋肉痛を緩和させるには運動後か経過72時間以内に150mg~2500mgのクルクミンを飲むと良いかも
  • 運動のパフォーマンスを高めるには運動後に90~200mgくらいのクルクミンを飲むと良いかも
  • 筋肉のダメージを修復するには運動の2日前くらいと運動後3日経過時点で400mgのクルクミンを飲むと良いかも

こうした条件がベストというわけではないですが、少なくとも各項目、この範囲で高い効果が確認されています。

注意点・まとめ

ただし注意点も幾つかあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • 色々とバラバラ:クルクミンサプリの種類や摂取量、タイミング、参加者の特徴、実験期間などにバラつきがあって結果にも影響している
  • サンプルサイズは小さい:全体で数百名規模なので統計的なパワーは弱い
  • 他の食事の管理はあまり出来ていなかった:他のポリフェノールを避けるように指示したり、抗炎症効果がある薬の服用を禁止した研究はあったが、それ以上の食事は管理できておらず、この影響は否定できない

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • クルクミンはウコンやターメリックで有名な植物ポリフェノールの一種で、強力な抗酸化&抗炎症効果で知られる
  • 今回の系統的レビューでは、クルクミンのサプリによって筋肉がダメージから回復、パフォーマンスも高まる可能性が示唆された
  • クルクミンの効果が高まる具体的な条件は示されたが、その辺りはデータの量・質ともに不足していてまだ追試が必要そうだ

こんな感じでしょうか。まだまだバラつきのせいで精度の高い結果は得られていない印象ですが、ひとまず筋肉のダメージに効くのは間違いなさそうです。

赤羽(Akabane)

クルクミンはそのままだと体内での利用率が非常に悪いので、近年では改良されたものが市場に並ぶようになりましたね。試してみたい!という方には以下のサプリをお勧めさせていただきます。興味があれば関連記事も併せてご覧ください。

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参考文献&引用

#1 Diego Fernández-Lázaro, et al. Modulation of Exercise-Induced Muscle Damage, Inflammation, and Oxidative Markers by Curcumin Supplementation in a Physically Active Population: A Systematic Review. Nutrients 2020, 12(2), 501.