交渉で使える本物のアクティブリスニングを会得したいなら「MONT」をやるべし!具体的な3つの実践トレーニングとは?

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交渉で使える本物のアクティブリスニングを会得したいなら「MONT」をやるべし!具体的な3つの実践トレーニングとは?

交渉で使える本物のアクティブリスニングを会得したいなら「MONT」をやるべし!具体的な3つの実践トレーニングとは?

今回は「アクティブリスニングを交渉で使えるレベルまで会得したいなら『MONT』をやるべし!」というお話です。
 
 
アクティブリスニングは「傾聴(耳を傾けて相手の話をちゃんと聴く)」とも言われていて、FBIの交渉人もその重要性を力説しているテクニックです。
 
 
そしてこのテクニックは、我々の日常の人間関係でもかなり応用できるもの。特にスマホ片手に人とコミュニケーションをとるのが当たり前な現代においては、しっかり自分の話を聴いてくれる人はとても貴重な存在です。
 
 
「アクティブリスニングを鍛えたい..!」そう思われた方や、興味がある方は本題へ進みましょう。
 

本物のアクティブリスニングを会得したいなら「MONT」をやるべし!

今回参考になるのは、2019年にロイファナ大学リューネブルクが発表したレビュー研究(#1)で、この研究内で「アクティブリスニングを鍛えるのに大事な要素」として挙げられているのが、マインドセットです。
 
 
「MONT」は「Mindset-Oriented Negotiation Training(マインドセット指向の交渉トレーニング)」の頭文字をとった略称で、要はアクティブリスニングは小手先のテクニックだけじゃなくて、しっかり根っこの心意気を学ぶ必要があるよね、ということを言っています。
 
 
「じゃあアクティブリスニングに欠かせないマインドセットってどんなもの?」次にこの部分を見ていきましょう。
 

交渉マインドセットに欠かせない3つの性質

研究チームによると、交渉マインドセットを構成する要素はザっと3つあるようです。

 

交渉マインドセット3要素
  • 協力:意識的、無意識的にも交渉人はチームのメンバーを、同じゴールを目指す仲間として認識すべし。周りへの配慮は相手の特徴を捉えて懐に入りこむのにも役立つし、他人といい関係を築くのに不可欠。
  • 好奇心:相手の情報により興味を持って、大事な情報は深く処理すべし。好奇心があれば、突然の交渉発生にもビビるよりも探究心が勝りやすい。旅人があてもなく新境地を求めてさまよいながらも、旅を楽しむように。
  • 創造性:前例のない交渉に当たった時、これまでの型にはめないで柔軟な思考で臨むべし。創造性が高ければ、練習の段階でもあらゆる状況を想定した有意義なトレーニングに繋がるし、問題解決へのモチベーションが高まる。
 

私は言われてみればなるほどなぁ~と思いましたね。小手先のテクを覚えても、肝心のこの部分が欠けていたらやっぱり違和感として相手に悪い印象を与えかねません。
 
 
とはいっても、言うは易く行うは難し。どうやってこうしたマインドセットを習得していけばいいのか..?次に具体的なトレーニング方法を見ていきましょう。
 

MONTで交渉マインドセットを鍛える3つのテクニック

研究チームによると、MONTで交渉マインドセットを鍛えるテクニックはザっと3つあるようです。
 

1. マインドセットエナジャイザー

既にある程度育っている「交渉マインドセット」を起動させるトレーニングで、具体的には①「人前で宣言する」②「質問をし合う」の2パターンがあります。
 
 
①なら、人前で「私は交渉に当たる時、常に周囲との協力を心がけて、予想外の状況にも好奇心で以て取り組み、なるべくたくさんのことを学んでいきます!」みたいに宣言するだけ。これはパブリックコミットメントですね。
 
 
②なら、交渉のパーティ内で「あなたは交渉にあたって、マインドセットの3つの基本を意識して動いてますか?」みたいにお互いが交渉マインドセットを普段から意識できてるか?を確認する感じです。
 

2. ロールモデルビジュアライゼーション

これは自分なりのロールモデルを思い描くことですが、対象は交渉マインドセットを刺激してくれる人物に決めましょう。
 
 
例えば、ちょっと前ですが「交渉人 真下正義」をロールモデルにした場合、「真下ならこの状況でどう動く?」と常にロールモデルをお手本にして対策を練ることができます。アクティブリスニングが上手い人が身の周りにいれば、その人でもいいかもしれません。
 

3. If-Then プランニング

最後は定番テクニック「If-Then プランニング」です。これは「(IF)~なら、(THEN)〇〇する」という条件に当てはめて、あらかじめ決めていた対応するアクションを取る、というもの。
 
 
緊迫した交渉の場面や、初対面の人との会食など、いざ実践となると頭が真っ白になることもあります。そんな時でも、前もって決めておいたプランがあれば、あとはIF条件が発生した時にTHENアクションを実行するだけ。
 
 
具体例を挙げると、こんな感じです。

 

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赤羽(Akabane)

(IF)緊張して呼吸が浅くなったら、(THEN)一回深呼吸する

 

こうやって普段から決めておけば、いざという場面でもパッと行動に移ることができます。
 

注意点・まとめ

ただ今回の内容で注意点を挙げておくと、交渉マインドセットはまだ検証段階には至っていません。あくまで過去の研究を持ち寄った仮説に近いもので、まだ実際に交渉の場を舞台にした実証研究はない、と。
 
 
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

 

ポイント
  • MONTは「Mindset-Oriented Negotiation Training(マインドセット指向の交渉トレーニング)」の頭文字
  • アクティブリスニングは小手先のテクだけじゃ通用しないので、交渉マインドセットを身に着けろ!という話
  • 協力、好奇心、創造性の3つが大事
 

こんな感じでしょうか。アクティブリスニングはテクニックなら結構紹介されていますが、肝心のマインドセットは置き去り状態。今後研究が進んで、重要性が立証されてくると面白いですね。

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赤羽(Akabane)

アクティブリスニングのテクニックについては過去にまとめています。「前に読んだ!」という方も、これを読んでからもう一回読むと見方が変わるんじゃないでしょうか?私ももっと訓練して精進しよう…

アクティブリスニングのテクニックはこちらをどうぞ

参考文献&引用

#1 Valentin Ade, Carolin Schuster, Fieke Harinck, and Roman Trötschel. Mindset-Oriented Negotiation Training (MONT): Teaching More Than Skills and Knowledge. Front Psychol. 2018; 9: 907.