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普段の何気ない言葉選びが体のストレス反応を如実に反映している!というボイスサンプル実験

普段の何気ない言葉選びが体のストレス反応を如実に反映している!というボイスサンプル実験

赤羽(Akabane)

今回は「普段何気なく使っている言葉が生理的なストレスを反映しているかも…?」というお話です。

普段の何気ない言葉選びが体のストレス反応を如実に反映している!というボイスサンプル実験

2万件以上のボイスサンプルを解析した実験!

2017年にアリゾナ大学が発表した研究(#1)によると、我々が日ごろ使う言葉によって感じている生理的なストレスを予測することが可能であることが示唆されました。

この研究では、健康な143名を対象に、彼らの普段の会話を収録したボイスサンプル22,627件を集めた実験を行いました。実験の趣旨は、人が普段使う言葉のチョイスと、その時々のシチュエーションとの関連性を調べるというものでして、例えば人に騙されたり、自分の身が危険に晒されたりといった強いストレスを感じうる状況では、人の言葉遣いは自然に変化することがわかっています。

ボイスサンプルは2日間にわたって断片的に収録され、一つ一つは30~50秒程度だった模様。そしてこれらを、平均単語数、周りに人が居るかどうか、平均の文の長さ、単語の品詞などで解析し、実験後に採取した血液サンプルからストレスフルな状況に影響を受ける遺伝子発現パターンをチェック、そこから生理的ストレスレベルと照合していったようです。

果たして実験の結果は、こんな感じになりました。

結果
  • 生理的ストレスを感じている人ほど言葉数が減っていた
  • 中でも複数人の第三者を表す代名詞(Theyなど)の使用頻度が減り、逆に副詞(Really、Very等)や不定代名詞(Oneなど)・単数の第三者を表す代名詞(He, She等)の使用頻度が増えていた
  • 参加者らの主観的な心理状態のデータとも照合したところ、「孤独感」の強さのみがこうした強い生理的ストレス反応を予測していた(うつや不安、主観的なストレスレベルなどとは相関がみられず)

まとめると、生理的なストレス反応が強い人にはいくつか特徴的な言葉遣いが確認されたみたいです。口数は減り、特に複数の他人を主語にした表現が減少、一方で強調語としての役割がある副詞が増えていた…と。こうした言葉選びの違いは、年齢や性別、人種といった人口統計的なデータや、主観的な心理状態よりも生理的なストレスを予測できていたとのこと。

こうした結果を受けて、研究チームは「強いストレスに晒されると、周りよりも自分に意識が向くようになり、その結果としてTheyなどの代名詞が減ったのでは?」と考えているようです。個人的には、「ではHeやSheなどの単数の代名詞が増えている点はどう説明できるのだろう?」という疑問が残りますが..。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • サンプルに偏りがある: 参加者は都会に住むアメリカ人のみで、ほかの言語や国での検証はできていない
  • 因果関係を裏付けるものではない: あくまで2日間のボイスサンプルデータと血液サンプルを後から分析する観察研究のスタイルをとっているため、言葉選びとストレス反応の間の因果関係は実証できない

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 2万件以上のボイスサンプルを解析した実験によると、生理的ストレスを示す遺伝子発現パターンが強くみられる人ほど、普段の言葉数が減っていた
  • 中でも複数人の第三者を表す代名詞(Theyなど)の使用頻度が減り、逆に副詞(Really、Very等)や不定代名詞(Oneなど)・単数の第三者を表す代名詞(He, She等)の使用頻度が増えていた
  • こうした結果は、年齢や性別、人種といった人口統計的なデータや、主観的な心理状態よりも生理的なストレスを予測できていた

赤羽(Akabane)

というわけで、我々が普段何気なく発している言葉のチョイスが実は体内のストレス反応と関係している!というお話でした。こうした潜在的なストレス反応はあまり実感としては分からないものなので、モニタリングのために日ごろから自分の言葉遣いを気にしてみるのも手かもしれませんね。

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参考文献&引用

#1 Matthias R. Mehl, Charles L. Raison, Thaddeus W. W. Pace, Jesusa M. G. Arevalo, Steve W. Cole. Natural language indicators of differential gene regulation in the human immune system. Proceedings of the National Academy of Sciences Nov 2017, 114 (47) 12554-12559; DOI: 10.1073/pnas.1707373114