赤羽(Akabane)
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国際栄養精神医学学会の専門家たちが選んだ「健康なメンタルに欠かせない6つの栄養素」
前提として、食事というのは肉体面だけでなく脳、ひいてはメンタルにもかなり影響を与えています。食事が脳の健康を守る主なメカニズムとしては、
- 食事の栄養が免疫システムを調整する
- 脳の成長やメンテナンスに欠かせない神経成長因子たちも食事の栄養に影響を受ける
- 健康で栄養バランスが取れた食事は脳が働くガソリンになる
この辺りが良く挙げられます。言わずもがな免疫システムの暴走は万病のもとである慢性炎症を引き起こしますし、そもそも脳自体が莫大なエネルギー代謝で動いているんですね。そしてこうした部分をサポートするためにもろもろの栄養素が欠かせないと。
トップの医学雑誌の姉妹雑誌に掲載された「健康なメンタルに欠かせない6つの栄養素」
それではここから本題です。参考になるのが2015年に医学雑誌のトップ「LANCET(ランセット)」の姉妹雑誌に掲載されたレビュー研究(#1)で、国際栄養精神医学学会(#2)の専門家たちが集って選び出した6つの栄養素をまとめています。
では早速一つ一つ見ていきましょう。
オメガ3脂肪酸
まずは脳の健康となると真っ先にあがるオメガ3脂肪酸。魚やナッツ類、一部植物油に豊富に含まれています。とはいえ魚と植物油では摂れるオメガ3は異なるので、ここもバランスよくとるのが吉。具体的なメリットは、
- 脳の炎症を抑えて認知機能を若く保ってくれる!
- 血液をサラサラにして、血管を若く保ってくれる!
こんな感じ。ちなみに摂取の際は、サプリではなく食品からとったほうが宜しいかと思います。いかんせんサプリでの効果は芳しくないので..。
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S-アデノシルメチオニン
聞き慣れないかもですが、SAMeとはカフェインの話でよく出る「アデノシン」と必須アミノ酸の「メチオニン」が体内で結びついたもの。これが神経伝達物質の正常な働きをサポートしていまして、足りなくなると気分やメンタルに影響が出てしまうんですね。実際にかなりの抗うつ効果が認められていて、
- S-アデノシルメチオニンの追加摂取でうつ病患者は比較グループよりも主要なうつ病の症状が緩和した(#3)
といった報告も上がっているほど。抗うつ剤とのコンビでうつ病に効果的な対策だと考えられています。
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N-アセチルシステイン
こちらも聞き慣れないかもしれませんが、NACは「グルタチオン」という物質の前の形態。グルタチオンは近年高い抗酸化能力でアンチエイジャーたちの注目の的となっておりまして、
- 抗炎症効果
- 抗酸化効果
- 神経を保護する役割
- 脳の記憶に関する神経伝達を調整
このように、ざっとみても高い抗酸化、抗炎症や脳のメンテナンス効果がありそうなんですね。実際に精神疾患への効能としても、NACは双極性うつや統合失調症、抜毛症あたりを改善する効果が報告されています。
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亜鉛
お次はミネラルの一角を担う重要な栄養素。亜鉛の大きな役割は、
- 髪や肌をツヤツヤにする
- 脳の記憶に関する神経伝達を調整
- BDNFに働きかけて脳の海馬(記憶を司る部分)の成長を促す
あたりが有名です。実際に大規模な系統的レビューも行われていまして、
- うつ病患者が亜鉛サプリを追加摂取したところ、比較グループよりもうつ症状が改善した(#4)
との結果が出ていたり。特に日頃からストレスを感じている方は人一倍消費しがちなので、亜鉛に気をつけてみるとよろしいかと。
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ビタミンB群
こちらは前に書いた「メンタルヘルスに重要な栄養素5選」でオメガ3と一緒に紹介済みでしたね。詳しくは下記リンクざっと見を推奨しますが、
- ビタミンB群は体内のエネルギー代謝の補助役を担う
- 不足すると代謝されるはずの物質が体に溜まってあらゆる病気の原因になったりも
- 特に脳に重要とされるのはビタミンB3、6、9、12
ビタミンB群に触れる上でこの辺りは重要なポイントかと。そして脳は特にエネルギー代謝が盛んなパーツ。例えるなら、ビタミンB群が不足すると脳はガス欠状態になってしまうんですね。
摂取方法としてはサプリよりは食事をおすすめします。というのも、ビタミンB群のサプリは少なからずデメリットが報告されているから。(#5,#6) 代わりに以下のような食事を心がけていれば問題ないかと思います。
メンタルヘルスに重要な良い栄養と悪い栄養まとめ5選ビタミンD
最後は当ブログでもかなり紹介した太陽のビタミン。食事だけでなく日光を浴びることでも合成できるホルモンみたいな栄養でして、
- カルシウムやリンの吸収をサポートして骨を丈夫にする
- 免疫細胞の活性化
- うつ病を改善する(うつ病患者で体内のビタミンD濃度が低い傾向も確認されている)
ざっと挙げてもこんな効果があります。ビタミンDに関しては当ブログでも過去に紹介したように、オフィスワーカーなど現代人の9割が足りていないことがわかっておりまして、室内に居る時間が長い方はサプリで補うことをお勧めします。
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注意点・まとめ
では最後に今回のラインナップをおさらいしておきましょう。
- オメガ3脂肪酸
- S-アデノシルメチオニン(SAMe)
- N-アセチルシステイン(NAC)
- 亜鉛
- ビタミンB群
- ビタミンD
食事から摂るべきもの、サプリで補ってもよさそうなもの、の区別をしっかりつけておくことは大切かと思います。最近TVでもよく宣伝されている「オメガ3脂肪酸」や定番の「ビタミンB群」は、実はサプリでの結果が芳しくなかったり、逆効果も報告されています。
赤羽(Akabane)
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参考文献&引用
#1 International Society for Nutritional Psychiatry Research,”Nutritional medicine as mainstream in psychiatry“, The Lancet Psychiatry 2(3),January 2015.
#2 The International Society for Nutritional Psychiatry Research,accessed on 16th Apr 2019.
http://www.isnpr.org/
#3 Papakostas GI, Mischoulon D, Shyu I, Alpert JE, Fava M. ,”S-adenosyl methionine (SAMe) augmentation of serotonin reuptake inhibitors for antidepressant nonresponders with major depressive disorder: a double-blind, randomized clinical trial.“,Am J Psychiatry 2010; 167: 942–48.
#4 Lai J, Moxey A, Nowak G, Vashum K, Bailey K, McEvoy M.,”The efficacy of zinc supplementation in depression: systematic review of randomised controlled trials.“,J Aff ect Disord 2012; 136: e31–39.
#5 Ebbing M, Bønaa KH, Nygård O, Arnesen E, Ueland PM, Nordrehaug JE, Rasmussen K, Njølstad I, Refsum H, Nilsen DW, Tverdal A, Meyer K, Vollset SE.,”Cancer incidence and mortality after treatment with folic acid and vitamin B12.“,JAMA. 2009 Nov 18;302(19):2119-26.
#6 Oliai Araghi S, Kiefte-de Jong JC, van Dijk SC, Swart KMA, van Laarhoven HW, van Schoor NM, de Groot LCPGM, Lemmens V, Stricker BH, Uitterlinden AG, van der Velde N,”Folic Acid and Vitamin B12 Supplementation and the Risk of Cancer: Long-term Follow-up of the B Vitamins for the Prevention of Osteoporotic Fractures (B-PROOF) Trial.“,Cancer Epidemiol Biomarkers Prev. 2019 Feb;28(2):275-282.
※当記事はメンテナンス済みですが、2019年4月16日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。