ペンシルバニア大学の研究により判明「メンタルを悪化させないSNSの一日当たり使用時間」とは?

SNS 孤独 メンタル

赤羽(Akabane)

今回は現代人にとって身近な「SNSの使用時間」についてのお話です。

ペンシルバニア大学の研究により判明「メンタルを悪化させないSNSの一日当たり使用時間」とは?

早速ですが、このテーマについて参考になるデータを見ていきます。

SNSの使用を一日30分にすればメンタルが改善して人生満足度がアップする?!

参考になるのが、2018年にペンシルバニア大学が発表した研究(#1)でして、143名の大学生(男子:35名、女子:108名)を対象に、SNSの使用時間とメンタルの状態の関連を調べたもの。

ちなみに実験期間は3週間で、春秋毎のセメスター(学期)で参加者を半分ずつにわけたようです。そして彼らを、

  • SNSの使用を制限するグループ(SnapChat,Facebook,Instagramをそれぞれ10分ずつ)
  • SNSをいつも通り使い続けてもらうグループ

この2つのグループに分けて結果を比べたみたいです。何を比べたか?については、

比べる項目一覧

  • うつ症状レベル(BDI-II)
  • 不安感
  • 自己肯定感
  • FoMO(仲間外れ感、疎外感)
  • 主観的な社会的サポート
  • 孤独感
  • 自律性と自己受容

この辺りの項目。SNSのトータル使用時間の長さとメンタルにまつわる数値の関係を調べた、と。

すると結果はこんな感じになりました。

結果
  • SNSを一日30分に制限したグループでは実験終了時に孤独感が下がった!
  • 元々うつ症状があった学生はSNS制限によってかなりうつ病レベルが改善した!
  • 両方のグループでFoMOと不安感が下がった!

まとめると、SNSを一日30分までに制限することでメンタルがかなり改善することがわかったんですね。特に元からうつ症状レベルが高かった学生に至っては、うつ症状スコアが24→14.5まで大幅改善なんてことも。(比較グループは24→22~23とほぼ効果ナシ)

こうした原因については、SNS特有の「他者との比較」が筆頭に考えられておりまして、特に画像イメージがアップされるInstagramなどは他人のキラキラした生活と自分のソレを比べて悲観してしまいがちなんですね。

両グループでFoMOと不安感が下がった件については、研究者らは次のような見解でした。

今回、実験という形でSNSの使用が観察対象になることで、参加者らのセルフモニタリングの力が働いたことが原因として考えられる。[筆者訳]

つまりは、実験でSNSの使用方法が見られている!と感じて参加者らも普段より意識して自らのSNSの使い方を見直すようになったんですね。その結果「SNSって思ったほど無くても大丈夫だな」と思えるようになったり。実際に参加した学生らもそのようなことを事後インタビューで答えているようでした。

赤羽(Akabane)

ということでSNSは見すぎに注意!が結論。SNSは他人との比較の場になりがちなので、特にメンタルが落ち込んでいる時に見るのは最悪のタイミングかもしれません。具体的な対策としては、「If Then Planning(イフゼンプランニング)」あたりを使っていくとよろしいかと。

関連記事はこちらをどうぞ

山登り、努力、のイメージ目標を確実に達成したいときに一番効果的な方法「If Then プランニング」とは?運動 BDNF 増加 脳由来神経栄養因子科学的に証明された目標達成法「If-Then プランニング」の改良版で30%効果を上げる方法最強の目標達成法「IF-THENプランニング」は食生活を健康にするしメンタルヘルスにも効くしやはり最強だった件。

参考文献&引用

#1 Melissa G. Hunt, Rachel Marx, Courtney Lipson, Jordyn Young,”No More FOMO: Limiting Social Media Decreases Loneliness and Depression“,Journal of Social and Clinical Psychology: Vol. 37, No. 10, pp. 751-768,2018.