【体罰ダメ絶対】それ、愛のムチじゃなくてただの無知かも?ビンタやスパンキングは子どもの教育に悪影響しかないぞ

【体罰ダメ絶対】それ、愛のムチじゃなくてただの無知かも?ビンタやスパンキングは子どもの教育に悪影響しかないぞ

赤羽(Akabane)

今回は「親や教育者の体罰って本当に子どもの教育の為になってるの?」というお話です。

それ、愛のムチじゃなくてただの無知かも?ビンタやスパンキングは子どもの教育に悪影響しかないぞ

早速ですが、この問題について非常に参考になる研究を覗いてみましょう。

16万人の子ども研究を集めてわかった「子へのビンタやスパンキングの悪影響」

これは2016年にテキサス大学オースティン校教授らが発表したメタ分析(#1)で、160927名の子供を対象に、子どもを「手でひっ叩く体罰」は子の教育に効果的なのか?を調べたもの。

まず具体的な体罰の種類ですが、ここでは「スパンキング」と呼ばれるものだけに注目していました。定義をハッキリさせておくと、

私たちのメタ分析では、アメリカでは「スパンキング」として知られる最も一般的な体罰に焦点を当てていく。スパンキングの定義は「お尻や四肢をパーの手で叩くこと」である。[筆者訳](#1)

こんな感じでした。どうも過去の体罰研究では、虐待レベルの暴力を手で叩く程度のものとごっちゃにしてしまっているものが多いようで、この部分の区別は大切だと思います。

でこうしたスパンキングによる体罰が、その後の子どもの教育にどう影響していくのか?を「攻撃性」「道徳性」「反抗心」などあらゆる観点から調べていったんですね。

するとこの結果、次のようなことが分かりました。

結果
  • 全体的にスパンキングは子どもの教育に良い効果はなかった
  • むしろ13の項目で悪影響が出ていた

なんとビンタやスパンキングといった「手でひっ叩く体罰」は子の教育の為にならず、むしろその後の健全な発育に悪影響すらあり得る、と。

ちなみに今回「叩く体罰」による悪影響があると判明した、子どもの性質は以下の通りです。

スパンキングで起こる子どもへの悪影響13項目

  • 低い道徳性、高い攻撃性、反社会的な行動、外部への問題行動、内側での問題行動、メンタルヘルスの問題、親子関係の悪化、欠如した認知の機能、低い自己肯定感、肉体的虐待の犠牲になる、大人になってからの反社会的行動、大人になってからのメンタルヘルスの問題、大人になってからの体罰への加担

どうやら子どもの頃だけじゃなくて、大人になってからもかなり色々な悪影響があるみたい。「体罰を受けて育った子は自分の子へも同じことをする」とかもよく聞く話ですね。

またこの研究では、「スパンキングと肉体的虐待を分けて調べた研究」に絞っても見てくれていて、この結果、スパンキングは肉体的虐待の65%の効果だったようです。やはり肉体的虐待のほうが悪影響は大きいみたいですが、手で叩くだけでも大概ですね。

注意点・まとめ

ただし今回の研究にも注意点があって、

注意
  • 因果関係が確定したわけではない:問題行動の多い子どもほど体罰をうけやすいという可能性もあるし、RCTではないので、スパンキングのせいで子どものその後に悪影響があった!とは決めつけられない
  • 調整要素が多すぎて結果のバラつきが上手く説明できない:研究のデザイン(実験か過去のデータ調査か等)や、スパンキングの観測方法、頻度やレベル、測定のタイミング(その場、先週、先月等)やら不安定な別要素が多くて、結果のバラつきも大きくなっている

この辺りは押さえておくとよろしいかと。とはいえ、スパンキングが子どもの言動を変えるという報告もちらほら見られるので、少なくとも教育に悪影響はあるだろうとは思いますが。

では以上を踏まえて今回のまとめです。

ポイント

  • スパンキングのように手をパーにして子どもをひっぱたく体罰は、子どものその後に悪影響を及ぼす
  • 具体的な悪影響は「社会的な反抗心」「認知の欠陥やメンタルの悪化」「大人になってからの社会的な反抗心」など幅広い
  • 結果にバラつきはあるが、程度が違うだけで少なくとも子どもの教育に悪影響だとは言えそう

スパンキングやビンタでも手を出してしまえば子どもに悪影響。その子が成長して大人になってからの人生も大きく変えてしまいかねないようです。

赤羽(Akabane)

昔はこういった事実が分かっていなかったので、一概に昔の体罰ありきの教育を全面否定することはできないかもしれませんが、今でも体罰が正しいと思ってやっている親御さんや教育者はかなり時代錯誤感があるな…と。子どもの為を想うならばすぐに止めたほうがよろしいかと思います。

参考文献&引用

#1 Gershoff ET, Grogan-Kaylor A. Spanking and child outcomes: Old controversies and new meta-analyses. J Fam Psychol. 2016 Jun;30(4):453-69.