目次
睡眠の質を高めるための運動はキツくなくても大丈夫みたいだ
今回は「睡眠の質を高める運動強度」についてのお話です。
「日中の適度な運動が睡眠の質を高める!」というのはずっと言われていて、最早定説かと思います。
では運動の強度はどのくらいがベストなんでしょう?この疑問についてまとまったデータを見ていきましょう。
睡眠の質を高めるには中強度の運動でOK?激しい運動と比べてみると..
これは2019年にエトヴェシュ・ロラーンド大学が発表した系統的レビュー(#1)で、2010~2018年の間に出版された14件の関連研究を集めて、最も睡眠の質を高める運動強度はどのくらいなのか?という点をまとめたものです。
運動の期間は単発35分のものから24週間続けるものまで色々あって、対象には18~45歳の年齢の人たちが半分くらい、それ以上の実年期~高齢の方が36%を占める感じで、幅広い年齢層が含まれていました。
では早速、このレビューの結論を見ていきましょう。
- 睡眠の質を高めるのに運動強度は激しくなくてよい
- 中強度のウォーキングや太極拳、ピラティスなどでも全体的に睡眠の質を改善する効果が見られた
- このレビューでは、睡眠の質と運動強度の間に年齢の影響は特に見られなかった
まとめると、睡眠の質を高める運動強度は必ずしも激しい必要はなくて、そこそこ息が上がる程度でOKだったんですね。しかもこの結果は、割とどの年齢層にも当てはまるのかもしれない、と。
注意点・まとめ
ただし注意点も幾つかあって、まず「睡眠の質」が生理学的な測定値でなくてセルフレポートなどの主観的な調査を当てにしている点は押さえておきたいところ。つまり客観的なデータとは言えないので、ちょっとデータの質としては落ちます。
また激しい運動について調べた研究の割合が少ない点も重要かと。大半が中強度の運動を調べていたので、データの偏りが大きいのは否めません。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 睡眠の質を高めるには運動強度はキツくなくても大丈夫みたい
- 激しい運動では、一部睡眠の質に改善が見られないというデータもあったが、質は低い
- ひとまず主観的な睡眠の質を改善するには中強度の運動で十分!ジョギング!早歩き!太極拳!
こんな感じでしょうか。激しい運動のデータが少ないものの、中強度でも十分!という結果には変わりないので、この点は参考になりそうです。
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらもどうぞ
![【図解付き】夜寝る前の運動で睡眠の質を下げない為には何時までに済ませればいいのか?](https://everyday-evident.net/wp-content/uploads/2019/07/61ef79d2eb0b898055714179f339487d.jpg)
参考文献&引用
#1 Feifei Wang & Szilvia Boros (2019) The effect of physical activity on sleep quality: a systematic review, European Journal of Physiotherapy.