赤羽(Akabane)
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快眠をデザインする最適な寝室の室温とパジャマの材質とは?
冬の寒い季節になると重宝する毛布や布団ですが、材質によって睡眠の質はどのように変わるんでしょうか?ざっと参考になりそうなデータを見ていきましょう。
快眠にベストな寝間着、寝具、室温を調べた実験によると…
2016年にシドニー大学が発表したRCT(#1)では、17名の健康で若い男女(平均24.6歳)を対象に、彼らを次の3つの項目でランダムに分類したようです。
- 寝間着: コットン vs. メリノウール
- 寝具: ポリエステル vs. メリノウール
- 室温: 17℃ vs. 22℃(湿度は60%設定)
で各条件ごとの寝室のルールを守りつつ、参加者は日を空けて計9日の夜を実験に捧げました。睡眠中は肌温度や深部体温を計測しつつ、睡眠ポリグラフィで入眠時間や睡眠効率、睡眠時間なども測定していったみたい。ちなみに睡眠ポリグラフィは睡眠計測のゴールドスタンダードなので、精度はお墨付きです。
そしてこの実験の結果、こんなことが分かりました。
- ウールの寝間着を着て寝た場合、コットンよりも入眠時間が短くなって、睡眠効率も高まって睡眠時間も長かった
- 室温は22℃より17℃の方がレム睡眠やノンレム睡眠のステージ1、3の割合が高くなった(ステージ2のみ低下)
- 寝具の材質は睡眠に影響を及ぼさなかった
まとめると、寝間着はコットンよりウール、室温は22℃より17℃の方が軒並み睡眠の質を高めてくれることがわかったんですね。一方で寝具の材質は特に睡眠に影響なしとの結果も。
また各項目の関わり合いについて詳しく見てみると、ウールのパジャマで室温を17℃にして寝た場合に効果が高まるようで、コットンと比較すると、寝つけるまでの時間にして8分ほどの差が出るとのこと。(9.9±6.6分 vs. 18.1±0.9分)
またウールが良い!という結果は別の2019年の研究(#2)でも得られていて、どうやら室温が30℃の場合でもウールはコットンやポリエステルより入眠時間などに良い結果が出た様子。こちらは高齢者を中心に行われた実験だったので、割と年齢に関係なく効果はありそうですね。
注意点・まとめ
ただし注意点を強いて挙げるなら、睡眠中の体の動きは測定されてなかった点でしょうか。寝返りや布団を蹴ったりすることは、肌温度などに影響があることが考えられるので、この点はサーモカメラなどで対応できれば尚良かったかもしれません。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 快眠のためにはウールのパジャマがイイ!
- 室温は22℃より17℃がイイ!
- ベッドの寝具は意外にも睡眠に影響が特になかった
こんな感じでしょうか。快眠には、パジャマと室温が特に大事だということがわかりましたね。
赤羽(Akabane)
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#1 Mirim Shin, Mark Halaki, Paul Swan, et al. The effects of fabric for sleepwear and bedding on sleep at ambient temperatures of 17°C and 22°C. Nat Sci Sleep. 2016; 8: 121–131.
#2 Chow CM, Shin M, Mahar TJ. The impact of sleepwear fiber type on sleep quality under warm ambient conditions. Nat Sci Sleep. 2019 Aug 26;11:167-178.