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週3と週6の筋トレではどちらが効果があるのか?
筋トレを始めた方からよく、「筋トレは週何回やればいいの?」と聞かれることがあります。
正直な話、この質問に答えるのは難しいかと思います。これは一回でどのくらいやるか?やその人の筋トレ歴なんかで大きく変わってくるからですね。
ただ、ある程度は目安を知っておきたい!今回はそんな疑問の参考になる研究を紹介します。
ザグレブ大学の良デザインな研究:週3 vs. 週6!大事なのは..
2018年にザグレブ大学が発表したRCT(#1)では、筋トレの頻度は筋力や筋肥大に影響するのか?を調べてくれたいます。
ザッと中身を覗いてみると、こんな感じでした。
研究デザイン
- 27名の筋トレ経験者男性を対象に
- 週6の筋トレ vs. 週3の筋トレで筋力と筋肥大に差が出るか?を調べた
- トレーニングのボリュームは両グループで揃えた
測定メジャー
・筋持久力(1RM60%の重さをどれだけ挙上できるか)
・筋断面積(筋肉の大きさ)
簡単に言うと、筋トレの頻度(週6 vs. 週3)以外は同じ条件で、それぞれ筋力&筋肉量がどのくらいアップするか?を調べた実験なんですね。
ちなみに筋トレのメニューは毎日ビッグ3(胸、背中、脚)を満遍なく鍛える感じで、週3グループは月水金で1種目4セット、週6グループは月~土で1種目2セットずつこなしたようです。
すると実験の結果は、
- 両グループで筋力、筋肉量がアップ!
- 筋力、筋肉量の増加は両グループで同じだった
- 筋持久力は両グループで変化は見られなかった
なんと両グループ間で筋力、筋肥大の数字に目立った差はなし。つまりは結局大事なのは週に筋トレする「量」であって、週に何回やるか?はさほど重要ではない、と。この結果は過去に出ている信頼性高い研究(#2)とも一致する内容で、とにかくまずボリュームが大事、という主張を更に裏付けることになりました。
また筋持久力だけは両グループで大きな変化がみられなかったようで、この件については詳しくはわかっていないようです。
注意点・まとめ
ということで週の筋トレ頻度はそこまで気にしなくていいのかも?という可能性が示唆されましたが、スケジュールを全く気にしないというのも考えものかと。例えば、以下のようにスケジュールによって1セッションのパフォーマンスが全然違ってくるからです。
- 週に1回で全身フルボリュームで筋トレする
- 週3回に筋トレ日を散らして部位ごとに筋トレする
実際に実験内でも、肘の屈筋(二頭筋とか)は週3グループでのみデカくなっていた!みたいに細かい差が確認されていて、この点についての研究チームの見解は以下の通りです。
週3グループでのみ肘の屈筋の変化が見られた理由については、肘屈筋が伸筋(三頭筋とか)と比べて背中のトレーニングでも間接的に使われるからだと考えられる。週6回のトレーニングの場合、前日の疲労が十分回復しないまま翌日に臨むことになってしまい、これが結果に影響しているのかもしれない。[筆者訳]
つまり週の頻度も前後のメニュー次第では少なからず影響するので、量を考えた上で調整したほうがいいですよ、と。例えばベンチプレスは三頭筋(二の腕)にも少なからず効いているので、三頭筋のトレは中二日くらい空ける、といった具合ですね。
赤羽(Akabane)
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【大事なのは..】「筋力アップ」を最大限引き出すベストなトレーニング頻度は週に何回?【週何回?】筋肥大を最大限引き出すベストな筋トレ頻度はどのくらい?参考文献&引用
#1 Grgic J, Schoenfeld BJ, Davies TB, Lazinica B, Krieger JW, Pedisic Z,”Effect of Resistance Training Frequency on Gains in Muscular Strength: A Systematic Review and Meta-Analysis.“,Sports Med. 2018 May;48(5):1207-1220.
#2 Saric J, Lisica D, Orlic I, Grgic J, Krieger JW, Vuk S, Schoenfeld BJ,”Resistance Training Frequencies of 3 and 6 Times Per Week Produce Similar Muscular Adaptations in Resistance-Trained Men.“,J Strength Cond Res. 2018 Oct 22.