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緑地公園が近所にあるだけで運動の習慣がつきやすくなるかもしれない

緑地公園が近所にあるだけで運動の習慣がつきやすくなるかもしれない

赤羽(Akabane)

今回は「家の周りの環境もかなり生活習慣に影響を与えるかも」という趣旨のお話です。

緑地公園が近所にあるだけで運動の習慣がつきやすくなるかもしれない

カナダ・バンクーバーを舞台に緑地公園が出来る前と後で比較した大掛かりな実験

2019年にブリティッシュコロンビア大学が発表した研究(#1)によると、緑地公園が近くにあるだけでも運動に費やす時間が増えて座りっぱなしの時間が減ることが分かったようです。

この研究では、カナダ・バンクーバーを舞台に524名(中央値44歳、21~90歳)を集めた3年間の大掛かりな実験を行っています。何と、2013年に『Comox-Helmcken Greenway』という緑地公園ができる前と後で、参加者らの運動習慣や座りっぱなしな時間を比べているんですね。

緑地公園が近所にあるだけで運動の習慣がつきやすくなるかもしれない

(#2)より引用。舞台になった緑地公園の写真。

ちなみに参加者らは全員、公園から1km圏内に住んでいる市民でした。調査データはセルフレポート形式で、公園完成前の2012~2013年と後の2014~2015年に2度集められたようです。そして参加者らは、公園から家までの距離で以下2つのグループに分けられました。

  • 実験グループ: 公園から300m圏内に住んでいる
  • 比較グループ: 300m圏外に住んでいる

*300mを閾値にした理由は、それ以上遠くなると今回の緑地公園以外にも良いサイクリングスポットがあって、公園が完成したことによる効果が正確に分からなくなるからとのこと

すると実験の結果、こんなことが分かりました。

結果
  • 実験グループは、公園が出来る前後で中強度の運動に費やす時間が17.5%増えた(51.9→62.9分)のに対し、比較グループでは10.1%減った(58.7→52.8分)
  • 実験グループは、中強度の運動を毎日最低20分は行う人の割合が2.7%増加した(67.6→69.4%)のに対し、比較グループでは11.5%減少した(68.7→60.8%)
  • 実験グループは、公園が出来る前後で一日当たりの座りっぱなしの時間が6.2%減った(487.7→457.7分)のに対し、比較グループでは4%増えた(473.8→492.9分)
  • 実験グループは、一日9時間以上座りっぱなしの人の割合が27.5%減少した(45.9%→33.3%)のに対し、比較グループでは3.3%増加した(36.7%→37.9%)

どうやら、緑地公園が出来てからは近隣の住民たちの運動習慣が高まったり座っている時間が減る傾向が見られたようですね。それとは対照的に、公園からちょっと離れた住民たちはその恩恵にあずかることはできなかったみたい。

また、公園からの距離ごとに細かく分析すると、中強度の運動時間が増える効果は公園から離れるごとに減っていった様子。一方で、座りっぱなしの時間が減る効果は、公園から離れるごとにむしろ高まってゆき、100m圏内に住む人よりも300, 500m圏内の人の方が高かったことが分かりました。原因は不明ですが、公園の完成以外の何かが影響を与えていると考えられます。

注意点・まとめ

ただし注意点もあって、以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • 調査データの精度は低い: 運動習慣や座りっぱなしのデータは3年間で2回だけ、セルフレポートで集められた。その為、参加者の主観に影響されやすい上に、データが大雑把になりがち
  • 他の地域や文化圏でどこまで一般化できるか分からない: カナダの一地域を舞台にしており、他の場所でどこまで同じような結果が得られるかは不明。街並みやその他環境の違いによっても、効果が変わる可能性が高い(運動以外のアクティビティを誘う施設が多い、等)
  • 調査項目もザックリしている: 運動であればその具体的な中身であったり、座りっぱなしの時間であればその時の活動内容など詳細なデータがない

データの質問題が今後の課題になりそうです。また、今回の実験では「緑地公園ができたおかげで近隣住民の運動習慣や座りっぱなしの時間が改善した」という因果関係は実証できないという点も重要ですね。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 緑地公園が近所にあるだけで運動の習慣がつきやすくなるかもしれない
  • 緑地公園が出来る前と後の近隣住民の運動習慣や座りっぱなしの時間を比べた実験の結果、300m圏内に住んでいる人は中強度の運動時間が増え、座りっぱなしの時間も減っていた
  • 一方で300mより遠くに住んでいる人は、中強度の運動時間が減り、座りっぱなしの時間が増えてしまっていた

赤羽(Akabane)

私の住んでいる地域も割と緑が多くて助かっています。運動できるスペースもたくさんあって、おかげで運動習慣の定着も楽チンでした。運動を習慣にしたいのであれば、都会でも近くに緑地がある場所が良さげですね。

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参考文献&引用

#1 Lawrence D. Frank, Andy Hong, Victor Douglas Ngo. Causal evaluation of urban greenway retrofit: A longitudinal study on physical activity and sedentary behavior. Preventive Medicine, Volume 123, June 2019, Pages 109-116.

#2 City of Vancouver. Comox-Helmcken Greenway. accessed on 10th Sep 2020.