赤羽(Akabane)
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ビーガンダイエットはたった4週間続けるだけでも「ビタミンB12不足」になるみたい
ビーガンとは、動物性食品を徹底的に避けた食事スタイルで、肉だけでなく卵や乳製品までアウトという点でベジタリアンとは異なります。
でビーガンを続けることの懸念として「ビタミンB12不足」が挙げられています。これは、我々がB12の摂取源としている肉やレバー、貝類などがビーガンでプツリと断たれてしまうからです。
では実際にビーガンを続けるとどうなるんでしょう?今回はこのテーマについて見ていきましょう。
ビーガンはお肉たっぷりな食事と比べてビタミンB12が不足しやすいって本当?を調べた比較試験
2019年にフライブルグ大学が発表したRCT(#1)では、普通の食事をしている53名(18〜60歳)を対象に、ビーガンダイエットによるビタミンB12不足はどんなものなのか?を実験しました。
実験は4週間で行われて、参加者は以下の2グループにランダムで分かれて食事をしていきました。
- ビーガン(26名):厳しいビーガンダイエットをサプリ服用なしで行う
- ミートリッチ(27名):毎日150g以上お肉をたっぷり食べる食事
で週ごとに研究チームと連絡を取って食事をちゃんと続けているか?をチェック、実験前後には尿や血液サンプルからビタミンB12にまつわる体内のステータスを測定していきました。
すると結果、こんなことがわかったようです。
- ビーガンダイエットで血中のビタミンB12が有意に減少していた(362.9 ± 110.9 ng/mL → 296.1 ± 94.1 ng/mL)
- 活性ビタミンB12(ホロトランスコバラミン)も有意に減少していた(67.3 ± 23.5 pmol/L → 43.6 ± 20.0 pmol/L)
- ミートリッチな食事ではこうしたビタミンB12ステータスに有意な変化はなかった
まとめると、厳しいビーガンダイエットを4週間続けるだけでも体内のビタミンB12はかなり減ってしまうぞ!ということですね。
また食事の栄養バランスを比較してみると、ビーガンダイエットはビタミンB12やコレステロールの摂取量が少なくなっていることが分かりました。他の栄養素に関しては割かしバランスよく摂取出来ていたみたいですね。
注意点・まとめ
今回の実験は食事の内容も結構定期的に聞き取りをしていたり、研究チーム側から食事を積極的に提供している点でよくコントロールされていると言えましょう。
ただし注意点としては、参加者数が少なかったり、食事の内容はあくまで聞き取りなので実際のボリュームな中身は正確でないかも..という点は押さえておくとよろしいかと思います。
では最後にまとめを見ていきましょう。
- 動物性食品を一切口にしないビーガンダイエット
- 動物性食品が主要源なビタミンB12が不足することが懸念されていた
- 今回の実験では、ビーガンによって血中のビタミンB12やその活性タイプも有意に減少していた
こんな感じでしょうか。たった4週間でも、ビーガンダイエットでビタミンB12は結構減っていた!と。
赤羽(Akabane)
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#1 Ann-Kathrin Lederer, et al. Vitamin B12 Status Upon Short-Term Intervention with a Vegan Diet—A Randomized Controlled Trial in Healthy Participants. Nutrients 2019, 11(11), 2815.