【高強度インターバルトレーニング(HIIT) vs. 中強度運動】健康面のメリットは?心肺機能を高めるメニューの条件は?

【高強度インターバルトレーニング(HIIT) vs. 中強度運動】健康面のメリットは?心肺機能を高めるメニューの条件は?

赤羽(Akabane)

今回は「HIITをやる健康面のメリットって?」というお話です。

高強度インターバルトレーニング(HIIT) vs. 中強度運動!健康面のメリット&心肺機能を高めるメニューの条件

早速ですが、この問題について参考になる研究が発表されていました。

高強度 vs. 中強度!運動強度で健康面の効果はどう違うのか?を調べたメタ分析

これは2019年に中国のスポーツ科学研究者らが発表したメタ分析(#1)。

22件の研究から620名を対象に、HIITが中強度運動(MICT)と比べてどのくらい健康面のメリットがあるか?を調べたものです。

具体的には、まず参加者はこんなグループに分けられていました。

  • HIITグループ(310名):最大酸素摂取量85〜90%、85〜95%、全力
  • MICTグループ(310名):最大酸素摂取量60〜75%、50〜60%、無酸素性閾値の10%手前
  • メニュー:サイクルエルゴメーター、ウォーキング、ランニング、ジョギング

簡単に言うと、HIITは「もう動けない..」ってくらいの強度で、MICTは息が上がってきて喋るのが困難なレベルの強度ですね。

で各グループで4〜12週間の期間を過ごして、実験前後で彼らの体型やコレステロール、最大酸素摂取量などを測定して比べました。

するとこの結果まずわかったのは、

結果
  • HIITもMICTも全体的に同様の効果が得られた!

ということでした。なんとも拍子抜けな結果ですが、どちらも健康面のメリットはざっくり変わらないらしい。(HIITでのみ悪玉コレステロールの減少が見られる、など小さい差はあった)

ただもう少し詳しく調べてみると、HIITで最大酸素摂取量が有意に高まる条件が見つかった様子。それは次の2つです。

  • HIITの運動時間が2分以上のとき
  • エネルギー支出がMICTと同じとき

つまり、1セットで2分以上息が上がる運動を続けると、心肺機能が有意に高まる見込みがある、と。いかに高強度といえど、ある程度の時間は続けて動く必要がありそうですね。

まとめ

では最後に今回の内容をまとめます。

ポイント
  • HIITはMICTと体型、コレステロール、最大酸素摂取量などへの効果は同じくらい
  • ただHIITは1回の運動が2分以上、エネルギー支出がMICTと同じとき、最大酸素摂取量が有意に高まった
  • 時短や効率を求めるならHIITがおすすめ!

この辺りを押さえておくと良さそうですね。ただ、今回の研究は4~12週間の短期の結果なので、長期的に見てどうか?は今後追加の研究が必要そう。

HIITをおすすめしたいのは、普段忙しい方でしょうか。HIITは強度を上げる分時短になって、現に今回の分析でも1回につきHIITはMICTより平均9.7分短かったようです。これを週5回繰り返せば、1週間で50分も時間が浮きます。この時間で1本記事が書けちゃいますね(笑)

赤羽(Akabane)

私は週に1〜2回はHIITを取り入れています。オリジナルメニューですが、50m坂道ダッシュやシャドーボクシング、バーピー、垂直跳び辺りをローテしてます。とにかく数セットこなしてヘロヘロになるモノなら何でもいいので、ご参考にまでに。

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参考文献&引用

#1 Su L, Fu J, Sun S, Zhao G, Cheng W, Dou C, Quan M. Effects of HIIT and MICT on cardiovascular risk factors in adults with overweight and/or obesity: A meta-analysis. PLoS One. 2019; 14(1): e0210644.