赤羽(Akabane)
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高強度インターバルトレーニング(HIIT)は筋トレと比べて効果にどんな違いがあるのか?
ちなみにHIITとは、短時間でかなり激しめな運動とインターバルを交互に繰り返すエクササイズです。
具体例は、エアロバイクを全力で20秒濃いで、10秒休憩…みたいな感じ。日本ではタバタ式が有名ですね。
HIIT vs. 筋トレ vs. 両方!効果にどんな差がある?
ではここから本題へ。HIITは何かともてはやされますが、他の運動と比べて一体どんなメリットがあるんでしょう?
この問題について参考になるのが、2017年にメイヨークリニックが発表した研究(#1)で、HIITと筋トレを比較してくれています。
この研究では、若者(45名、18~30歳)と高齢者(27名、65~80歳)のグループから72名を対象に、まず次のような運動別グループに分けました。
- HIIT:週に3日、サイクリングを最大酸素摂取量90%の強度で4分×4セット&週に2回、トレッドミルウォーキングを最大酸素摂取量70%の強度で45分
- 筋トレ:週に4日、下肢と上肢のトレーニングを2回ずつ、1セット8~12回×4セット
- HIIT&筋トレ:実験開始前に12週間何もしない期間を設けてから、週5でサイクリングを最大酸素摂取量70%の強度で30分、週4でウェイトリフティングを筋トレグループより軽い負荷で行う
ちなみにHIITの強度の目安は、週3のサイクリングは数セットでへとへとになるレベルで、週2のウォーキングのほうは息が上がってきて歌うのは難しいけど辛うじて喋れる、くらいです。
そして各々のグループで3ヵ月間過ごしてもらって、実験前後で体型や細胞、インスリンなどの数値を調査。すると次のような結果になったようです。
- HIIT:除脂肪体重(≒筋肉量)が増加、骨格筋のミトコンドリアが活性化、最大酸素摂取量がアップ(≒心肺機能改善)、インスリン感受性改善
- 筋トレ:除脂肪体重(≒筋肉量)が最も増加、インスリン感受性改善
- HIIT&筋トレ:インスリン感受性まあまあ改善、除脂肪体重(≒筋肉量)がまあまあ増加、最大酸素摂取量アップがまあまあ改善
どうやらHIITで最も幅広い効果が得られたようです。しかも若者と高齢者の両方で軒並み安定して効果が得られたのがHIITで、幅広い年齢層にも効果的だということが分かりました。
まとめ
ということで、今回の結果をまとめると、
- HIITは心肺機能が高まるだけでなく、細胞レベルで体の衰えを改善、若返らせてくれる
- 筋トレは若い人が筋肉量を増やしたり体型改善するのに最適
- 強度を下げてHIITと筋トレを両方行う場合でも、全体的にまあまあの効果が得られた
こんな感じでしょうか。HIITで骨格筋のミトコンドリアが活性化するのは他の研究(#2)でも幾つか報告がありますね。
ただ、具体的にどんなメニューだと最も効果が高いのか?といった細かい部分はまだわかっていないので、この点は今後の研究を期待しましょう。
赤羽(Akabane)
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#1 Matthew M. Robinson, Surendra Dasari, Adam R. Konopka, et al. Enhanced Protein Translation Underlies Improved Metabolic and Physical Adaptations to Different Exercise Training Modes in Young and Old Humans. VOLUME 25, ISSUE 3, P581-592, MARCH 07, 2017.
#2 Dohlmann TL, Hindsø M, Dela F, Helge JW, Larsen S. High-intensity interval training changes mitochondrial respiratory capacity differently in adipose tissue and skeletal muscle. Physiol Rep. 2018 Sep;6(18):e13857.