赤羽(Akabane)
目次
筋トレ女子が筋肉の発達を狙うにはどのくらい追い込めばいいのか?
筋トレ女子は部位ごと5〜10セットずつ追い込めば十分筋肉の発達に効果があるみたいだ
2019年にAmazonia Universityの研究者らが発表したRCT(#1)によると、女性トレイニーが筋トレによる筋肉の発達効果を得るには、部位ごとに5〜10セットで十分であることが分かりました。
この研究では、40名の筋トレ経験者女性(歴3年以上)を対象に、彼女らを以下4つのグループにランダムで振り分けています。
- 5セット: 1回のセッションで各種目1〜2セット、筋肉の部位ごとに計5セットずつ鍛える
- 10セット: 各種目2〜4セット、筋肉の部位ごとに計10セットずつ鍛える
- 15セット: 各種目5セット、筋肉の部位ごとに計15セットずつ鍛える
- 20セット: 各種目6〜7セット、筋肉の部位ごとに計20セットずつ鍛える
*トレーニングは週3で、曜日ごとに胸、背中、脚の日に分けられた。各セットは限界まで行う。
実験期間は24週間で、結果のデータとして10RMのベンチプレスやラットプルダウン、45°レッグプレス、スティッフレッグドデッドリフトの筋力測定と、胸や上腕、お尻や脚の筋肉量をチェックしたようです。
すると実験の結果、こんなことが分かりました。
- 実験前後で比べると、全グループで有意に筋力が増加していた
- 5,10セットのグループで最も筋力アップ効果が見られ、ラットプル、レッグプレス、スティッフレッグドデッドリフトで15セットよりも、全種目で20セットよりも有意だった
- 5,10セットのグループは15,20セットよりも測定した全部位で有意に筋肉量が増加していた
まとめると、部位ごと5か10セットの筋トレで特に高い筋力&筋肉量アップ効果が表れていた!と。また、20セットのグループは他のどのグループよりも筋力アップが低かったことも判明しまして、そこまで追い込むメリットは無さそうですね。
ちなみに、5,10セットで比べると、有意な差ではないもののわずかに10セットが優勢でした。ここから言えるのは、時間が取れるのであれば部位ごと10セット、厳しければ5セットでOK!ということですね。そして、それ以上はむしろトレーニング効果の低下につながるかもしれない…と。
(ベンチプレス×2) +(ダンベルフライ×2) +(チェストプレスマシン×1) = 5 →「大胸筋」という部位に計5セット割く
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ざっと以下の点は押さえておくとよろしいかと。
- 食事のコントロールはほとんどしていない: 何かエルゴジェニックサプリを飲み始めたか?といった特殊な変化を除いて、食事は各々普段通りで任せていた
- サンプルサイズは小さい: 参加者数が少ない分、統計的なパワーは弱い
特に、他の筋トレ実験に比べて、今回の実験は比較的長期になるので、その分食事の差が大きく出る可能性がありますね。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 歴の長い女性トレイニーが筋トレで筋肉の発達を狙うには、部位ごとに5〜10セットずつで十分みたいだ
- 今回の実験では、女性トレイニーを部位ごとに1回のトレーニングで5,10,15,20セット行うグループに振り分けたところ、どのグループも有意に筋力&筋肉量はアップしていたが、5,10セットのグループでいずれも高い効果が出ていた(若干10セットが優勢)
- 逆に、20セットのグループでは他のどのグループよりも全体的に効果が低く、そこまで追い込むメリットはなさそうだ
赤羽(Akabane)
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#1 Barbalho M, Coswig VS, Steele J, Fisher JP, Paoli A, Gentil P. Evidence for an Upper Threshold for Resistance Training Volume in Trained Women. Med Sci Sports Exerc. 2019;51(3):515-522. doi:10.1249/MSS.0000000000001818