筋トレ女子が人気のプチ断食「リーンゲインズ」とプロテインを組み合わせたらどうなるのか？

赤羽(Akabane)

今回は「プチ断食『リーンゲインズ』を筋トレ女子がやったら…?」というお話です。

まずはリーンゲインズについてザっとおさらいしておきましょう。

リーンゲインズはフィンランドの栄養士・トレーナーであるマーティン・バークハン氏が考案した手法で、簡単に言えば一日のうち8時間は食べて16時間は断食で過ごすルーティーンのことです。

定番のフレームワークは、12~20時までを食事タイムにして残りの睡眠を含めた16時間は断食タイムにするというもの。断食タイムの半分近くが睡眠時間なので、体感としてもそんなにキツくなくて続けやすいですね。

ただリーンゲインズで強調されているポイントもあって、①週3くらいで適度に運動をすること、②加工食品や精製されている食品はなるべく避ける、辺りは大事なポイントかと。つまり肝心の時間以外のところも健康的な生活を送りましょう！と。

では以上を踏まえてタイトルの内容についての最新の研究を覗いていきましょう。

これは2019年にテキサス・テック大学が発表したRCT(#1)で、40名の女性(18~30歳)を対象に、日頃から活発な女性がプチ断食 + プロテインを組み合わせたらどうなる？を調べた試験。

参加者の女性らは最低でも筋トレ歴1年以上、週2~4は続けている経験者たちで、まず彼女らを以下の3つのグループにランダムで分けていました。

グループ全体では、ホエイプロテインを毎日飲むように推奨されていて、一日当たりたんぱく質は1.6g/体重kgと結構な量を摂ってました。また実験期間の8週間で週3の筋トレプログラムにも取り組んでもらっていて、日別に部位毎に分けてなかなかボリュームのある筋トレをやっています。

ちなみにHMBサプリのグループ以外で偽のサプリを飲ませたのは、効果の比較以外にも、実験をとり行う研究者たちに実験の意図を隠すためという狙いがあります。これは専門的には「二重盲検法」といって、端的に言うと実験の質は格段に高くなります。

そして最終的に24名が残って、実験前後と4週間時点で各グループの体型や筋力、筋肉量、代謝などを測定したところ、次のような結果になったようです。

結果

まとめると、リーンゲインズ + ホエイプロテインの組み合わせは普通の食事ルーティーンと比べても筋肉への悪影響も見られずむしろ同程度のプラス効果が得られたんですね。

ただ一点だけHMBを加えた場合に有意な効果っぽいものが見られていて、リーンゲインズ + HMBサプリグループの実験後でのみ、体脂肪率や脂肪がちょっぴり減少していました。

とはいえ今回の研究にも注意点が幾つかあります。

注意

特に出資バイアスは研究の質を結構落としてしまいますね。その他の部分ではかなり質の高い内容であった分、惜しい点ではあります。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント

こんな感じでしょうか。注意点はありましたが、テーマとしては割と知りたい人も多い内容だったんではないかと思います。リーンゲインズで空腹時間が長引くと筋肉への影響も心配になりますからね。

赤羽(Akabane)

リーンゲインズは私もかれこれ1年半以上実践しています。おかげで朝はものすごい頭が冴えて集中できますし、体型の維持も前より随分楽になりました。気になる方は以下も併せてご覧いただくとよろしいかと思います。

参考文献&引用

#1 Tinsley GM, Moore ML, Graybeal AJ, et al. Time-restricted feeding plus resistance training in active females: a randomized trial. Am J Clin Nutr. 2019 Sep 1;110(3):628-640.