ビタミンAやビタミンEなどの抗酸化ビタミンは膵臓ガンのリスクを下げる!

2019年4月1日サプリメント, 栄養成分、物質, 考察編

抗酸化ビタミンとは?

dbreen / Pixabay

e-ヘルスネットから引用するとこんな感じです。

活性酸素の働きを抑える作用を持つビタミンのこと。ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなど。

活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンのことを指します。活性酸素は動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作り出したり、がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。

人間の身体は本来、酵素によって活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少していきます。抗酸化ビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつとして注目されています。

抗酸化パワーを持つ点では、植物のポリフェノールなんかと役割は近いですね。
 

 

すい臓がんについて

すい臓がんは早期では症状が殆んど出ず、見つけるのが困難な病気なんだとか。しかも発症すると五年以内の生存率が4~6%かそれ以下になると言われている恐ろしい病気です。そのためすい臓がんは特に予防が大事になってきます。
 

 

ビタミンAと膵臓ガンの信頼性の高い研究

山東大学が病院と提携して2016年に発表したメタ分析(信頼性の高い研究)の論文研究(#1)によると、ビタミンAの摂取が多いほどすい臓がんのリスクが下がったようです。研究概要は以下の通りです。
 

  • 11の関連研究を選出
  • ケースコントロール研究、人口ベース、病院ベースのケースコントロール研究があった
  • 研究は北アメリカ、ヨーロッパ、日本などのもの
  • 参加者の年齢は21~92歳まで幅広い
  • 合計2705ケースあった

 
大規模な研究をかき集めてはいますが、この研究によって「すい臓がんのリスクを下げるにはビタミンAをどのくらい摂取すればいいのか」はわかっていないのでその点は注意です。その上で結果は次のようになりました。
 

  • ビタミンA摂取をするとすい臓がんのリスクが下がった

 
以上を踏まえて次はビタミンEと膵臓ガンの関係を見ていきましょう。
 

ビタミンEと膵臓ガンの信頼性の高い研究

中国人民解放軍第三軍医大学の教授らのメタ分析(信頼性の高い研究)の論文研究(#2)によると、ビタミンEの摂取が多いほどすい臓がんのリスクが下がったようです。研究の内容は以下の通りです。
 

  • 10の関連研究
  • 6つはケースコントロール研究、4つはコホート研究
  • 参加者は患者が2976人、254393人の健常者
  • 年齢層は21~94歳と幅広い
  • 論文は4つがアメリカ、2つがアジア、4つがヨーロッパの国から
  • 性別、喫煙、年齢、エネルギー摂取量など調整は全研究で見られた
  • ビタミンEの摂取法は殆んどレポートされてない(サプリor食事から?)

 
こちらもさっきのビタミンA研究同様、選んだ論文研究の方法の都合上「どのくらいのビタミンEを摂ればすい臓がんリスクを下げられるのか」は明らかではありません。そしてもう一点注意すべきは最後の項目。ビタミンEの摂取方法はレポートされていなかったようなので、食事からなのかサプリからなのかも謎です。その上で結果は以下のようになりました。
 

  • ビタミンEの摂取が多いとすい臓がんのリスクが下がった
  • ケースコントロール研究、コホート研究に関係なくビタミンEとすい臓がんリスクの相関が見られた

 
抗酸化ビタミンであるAとEにはすい臓がんのリスクを下げる効果がありそうですね。ですがどのようなメカニズムなのかは研究からはわかっていません。考えられる要因として、以上二つのビタミンA,E研究で共通して言われているのは次のようなものです。
 

  • 免疫システムを刺激する
  • 抗酸化ビタミンとしてフリーラジカルの働きを抑える

 
フリーラジカルとは簡単に言うと「活性酸素」に分類されるもので、これが過剰に発生すると老化が早まったりガンのリスクが高まるとされています。これを抑える一つの方法として抗酸化物質を摂取することが勧められているんですね。
 

日本人の食事栄養基準(2015年版)を参考に

課題
Pexels / Pixabay

グリコHPに引用されている日本人の食事栄養基準(2015年版)を更に引用します。
 
ビタミンAの摂取基準(左から推奨量、耐容上限量[μgRAE/日])

男性 女性
18~29(歳) 850 2,700 650 2,700
30~49(歳) 900 2,700 700 2,700
50~69(歳) 850 2,700 700 2,700

ビタミンEの摂取基準(左から推奨量、耐容上限量[mg/日])

男性 女性
18~29(歳) 6.5 800 6.0 650
30~49(歳) 6.5 900 6.0 700
50~69(歳) 6.5 850 6.0 700

 
しかしながら信頼性の高い研究で「ビタミンEをサプリから摂りすぎると死亡率が高くなるよ」という結果や、そもそも「抗酸化ビタミンのサプリはがんに効果がないし死亡リスクが高まるぞ」という報告も出ているので、サプリから多量摂取するのは避けたほうが良さそう。ビタミンAもEも食事から適切な量を摂っていれば十分に健康効果を得られるでしょう。

 

参考文献&引用

#1 Tao Zhang, Hongqiang Chen, Shiyong Qin, Minghai Wang, Xianming Wang, Xin Zhang, Fei Liu, Shuguang Zhang,”The association between dietary vitamin A intake and pancreatic cancer risk: a meta-analysis of 11 studies“,Bioscience Reports,Vol.36,No.6,2016.

#2 Lujian Peng, Xiangde Liu,Qian Lu,Tengqian Tang ,Zhanyu Yang,”Vitamin E Intake and Pancreatic Cancer Risk: A Meta-Analysis of Observational Studies“,Medical Science Monitor,Vol.21,pp1249–1255,2015.

# e-ヘルスネット「抗酸化ビタミン」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-008.html
「2018年3月19日アクセス」

# スキンケア大学「フリーラジカル」
http://www.skincare-univ.com/article/004185/「2018年3月19日アクセス」

# Wikipedia 「症例対照研究」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%97%87%E4%BE%8B%E5%AF%BE%E7%85%A7%E7%A0%94%E7%A9%B6「2018年3月19日アクセス」

# Wikipedia「コホート研究」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%88%E7%A0%94%E7%A9%B6「2018年3月19日アクセス」

# グリコHP「栄養成分ナビゲーター」
http://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html「2018年3月19日アクセス」