抗酸化ビタミンのサプリメントはがんに効果なし、むしろ死亡リスクを高める?!

2019年4月1日サプリメント, 栄養成分、物質, 考察編

 

 抗酸化ビタミンとは?

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e-ヘルスネットから引用するとこんな感じです。

活性酸素の働きを抑える作用を持つビタミンのこと。ビタミンA・ビタミンC・ビタミンEなど。

活性酸素の働きを抑える抗酸化作用を持つビタミンのことを指します。活性酸素は動脈硬化を起こしやすくする過酸化脂質を作り出したり、がん・老化・免疫機能の低下などを引き起こします。

人間の身体は本来、酵素によって活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少していきます。抗酸化ビタミンは、酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質のひとつとして注目されています。

最近更に注目を浴びているポリフェノールなんかと役割は近いですね。ビタミン類では「もう降参か?ACE(エース)」で覚えると楽です。イメージはONEPIECEのルフィの兄エースでもいいですし、ラッパーのACEさんでもいいですね。

そして何で抗酸化ビタミンとガンの関係が調べられてるのかというと、「抗酸化ビタミンはがんの原因になり得る体の酸化を抑えてくれる」と言われているからなんですね。

 

 

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 抗酸化ビタミンはサプリだとがんのリスクには効果なし

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2004年のあらゆる抗酸化物質のサプリメントと消化器系のがんについて調べたメタ分析(#1)によると、ビタミンACEやβカロテンといった抗酸化ビタミンサプリは消化器系のがんのリスクに全く効果がなく、むしろ全体的な死亡リスクが高まったことが分かりました。研究概要は以下の通りです。

  • 14の関連研究を選出
  • 総参加者は170525人
  • 男性が97305人 (58%)、女性が70520人 (42%)
  • 平均年齢は55歳(15~84歳)
  • 調査対象のがんは胃、食道、肝臓、すい臓、大腸がん
  • 研究はその”質”で以下のように分けられた
  1. 高い質とされる研究(7つ)
  2. 比較的低めな質の研究(7つ)
  • 参加者のグループ分けは以下の通り
  1. 抗酸化ビタミンサプリ(ビタミンA,C,E,βカロテン)グループ
  2. プラセボグループ(効果ないサプリを代わりに飲む)
  • 抗酸化物質の種類、量、飲む組み合わせは以下の通り
抗酸化ビタミン、摂取量一覧(1~12年間、毎日or一日おき)
βカロテン ビタミンA
15~50mg 1.5~15mg
ビタミンC ビタミンE
120~2000mg 30~600mg
サプリの組み合わせ一覧
【βカロテン×ビタミンA】【βカロテン×ビタミンE】【βカロテン×ビタミンC】【βカロテン×ビタミンC×ビタミンE】【βカロテン×ビタミンC×ビタミンE×セレニウム】【ビタミンA×リボフラビン×亜鉛】【6つのビタミンと3つのミネラル】【14のビタミンと12のミネラルサプリ】

 

 

かなり詳細にデータが記載されていますし選ばれた研究も質の高いものが多いです。ですが一つ注意点があって、今回扱う多くの研究ではバランスのとれた食事に含まれるのと比べてかなり多い量の抗酸化ビタミンを取り扱っていたようです。中には耐容上限を超えて摂取しているものもありますし…そしてもう一つ、今回の研究では「セレニウム」というミネラルの一種も本来は対象になっているのですが、この記事では簡潔にするためスルーしていきます。それを踏まえて結果を見ていきましょう。

 

  • ビタミンA,C,E,βカロテンのサプリは消化器系がんに効果なし
  • 質の高い研究で見ると、死亡リスクが高まった
  • 質が低めな研究で見ると、死亡リスクに変化なし
  • 【βカロテン×ビタミンA】【βカロテン×ビタミンE】というサプリの組み合わせで特に死亡リスクが高まった
  • βカロテンサプリ単体でも死亡リスクが高まる傾向あり

 

かなりハッキリ結果が出ました。抗酸化作用があるとして、がんの原因の一つ「酸化ストレス」を抑えてくれる抗酸化物質ですが、サプリでは大した効果が得られませんでした。それどころか、質の高い研究に絞ってみると全体の死亡リスクが高まっていたようです。これについては、本来統計のモデルによっては「死亡リスク変化なし」と出たのですが、その中でも一番信頼性の低い研究を取り除いたところ、どのモデルでも死亡リスクが上がったみたいです。

特に「摂りすぎ危険」なものはβカロテンですね。がんの予防、改善に貢献するどころか死亡リスクを高めているのですから。これについて近年の研究(#2)では、βカロテンが発がんを補足する働きをするかもしれないと指摘されていて、一貫した結果となっています。なのでβカロテンをサプリで摂るのは危険かもしれません

ここまで「抗酸化物質をサプリで摂取するのは無意味だし死ぬリスクが高まるだけ!」という主張になってますが、こういう結果になった要因として単純に「栄養の過剰摂取」が挙げられるかもしれません。サプリで各栄養を摂りすぎたせいで、本来の抗酸化物質の保護効果が得られなかったり、逆に死亡率を引き上げてしまったのではないかという可能性もなきにしもアラブ。

近い研究では「ビタミンEサプリの摂りすぎで死亡リスクが上がった!」という研究がありますね。はたまたサプリに限定しなければ「ビタミンAとEは膵臓がんのリスクを下げるよ~」という研究もあったり。やっぱり食事から摂るのが一番なのかな~と思う次第です。以上も踏まえて結論はこんな感じでしょうか。

 

ビタミンA、C、E、βカロテンのサプリは避ける、飲むなら摂りすぎ注意

特にβカロテンは摂りすぎ注意

サプリだと耐容上限を超えがちなのでなるべく食事からの摂取を心がける

 

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参考文献&引用

#1 Goran Bjelakovic, Dimitrinka Nikolova, Rosa G Simonetti, Christian Gluud,”Antioxidant supplements for prevention of gastrointestinal cancers: a systematic review and meta-analysis“,Lancet,Vol.364,pp1219–1228,2004.

#2 Paolini M, Abdel-Rahman SZ, Sapone A,”Beta-carotene: a cancer chemopreventive agent or a co-carcinogen?“,Mutat Res,Vol.543,pp195–200,2003.

# グリコHP「栄養成分ナビゲーター」
http://www.glico.co.jp/navi/e07-2.html「2018年3月19日アクセス」