赤羽(Akabane)
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夜勤でスッキリ目覚めて集中!「カフェインナップ」の効果とは?
カフェイン+仮眠で夜勤の睡魔を撃退?初期段階の実験によると..
2020年に南オーストラリア大学が発表したランダム化クロスオーバー試験(#1)によると、夜勤でスッキリ目覚めるにはカフェインを摂ってから仮眠をとるのが効果的であることが分かりました。
この研究では、6名(21~36歳)を対象に、彼らをランダムに以下2つのパターンに振り分ける実験を行いました。
- カフェイン: 200mgのカフェインを摂取する
- プラセボ: デカフェのコーヒーを摂取する
*クロスオーバー試験なので、一方のパターンをこなしたら1週間の間隔を空けてもう一方のパターンを全員が経験した
実験は深夜に行われて、それぞれ午前3:30~の30分間の仮眠の前に、決められたモノを摂取するという流れでした。
それから、起床後の数時間の期間で、注意力や認知パフォーマンスのテストを行ったり、主観的な疲労感や眠気などもチェックしたところ、以下のような結果が得られたようです。
- カフェインナップで起床から45分後の注意力や主観的な疲れが改善していた!
まとめると、カフェインナップをした場合でその後目覚めがスッキリする傾向が見られたんですね。
ちなみにカフェインナップの根底には、仮眠によってカフェインの覚醒効果をブーストするというコンセプトがあります。カフェインは、疲れを感じさせる物質「アデノシン」がその受容体と結びついて疲労感を伝えるのをブロックすることで効果を発揮しますが、睡眠中は生体内のアデノシン量が減るので、よりカフェインの効果が出やすいんじゃないか?という仕組みです。
【イラスト図解】頭スッキリ&超集中モード!カフェインの覚醒効果のメカニズムをサクッと説明してみた。
注意点・まとめ
ただし注意点として、まだ初歩の段階の研究なのでサンプルサイズは非常に小さいです。その分統計的なパワーは弱いですし、もっと色々な環境や時間での検証も必要かと思われます。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 夜勤で仮眠からスッキリ目覚めるには「カフェインナップ」が効果的かもしれない
- 今回の実験では、深夜にカフェインを摂ってから仮眠をとったグループで、その後の注意力が高まっていたり、主観的な疲労感も改善していた
- ただし、まだ初歩的な実験なので、今後は色々な環境やパターン、沢山の参加者を集めて追試が必要
赤羽(Akabane)
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#1 Stephanie Centofanti, Siobhan Banks, Scott Coussens, Darren Gray, Emily Munro, Johnathon Nielsen & Jillian Dorrian (2020) A pilot study investigating the impact of a caffeine-nap on alertness during a simulated night shift, Chronobiology International, DOI: 10.1080/07420528.2020.1804922