赤羽(Akabane)
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脚とお尻を同時に効率良く鍛えられる種目とは?【スクワット、ルーマニアンデッドリフト、ヒップスラスト】
今回はこの辺りのテーマを検証した実験を紹介します。
下半身の筋トレ3種目のお尻・脚の筋肉への効果を比較した研究
2019年にエディスコーワン大学が発表した研究(#1)によると、お尻の筋肉を重点的に鍛えたいならバーベルヒップスラストやルーマニアンデッドリフトが、下半身を重点的に鍛えたいならバックスクワットが効果的であることが分かりました。
この研究では、筋トレ経験者の男性8名を対象に以下3つの種目をこなす実験を行っています。
- バックスクワット
- ルーマニアンデッドリフト
- バーベルヒップスラスト
*重量は一律60kgと、参加者ごとの限界挙上重量(1RM)をそれぞれこなす
どれも下半身トレの定番ですね。そして各種目中のお尻や脚の筋肉の活動を筋電図(EMG)を使って測定していき、種目ごとの筋活動を比較していきました。
果たして実験の結果、以下のようなことが分かりました。
- バーベルヒップスラストではバックスクワットよりも有意に大臀筋が活動していたが、ルーマニアンデッドと比べると有意な差ではなかった
- スクワットではバーベルヒップスラストやルーマニアンデッドよりも有意に外側広筋が活動していた
- 大腿二頭筋の活動にはトレーニング間で有意な差は見られなかった
まとめると、お尻の筋肉に特化させるならヒップスラストかルーマニアンデッド、お尻と脚に満遍なく効かせるならバックスクワット!という感じでしょうか。
大腿二頭筋に関しては、どの種目でも使われていなかったわけではなく、単にどの種目でも同じくらい活動が起こっていたという解釈になります。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザッと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- サンプルサイズは小さい: 参加者が10名未満とかなり少なく、統計的なパワーは弱くなる
- サンプルは限定的: 対象者は筋トレ経験が1年以上ある男性のみなので、女性や初心者などでどこまで同様の結果が得られるかは不明
あくまで熟練者の男性を対象にした実験結果である点は気に留めておくとよろしいかと。
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- 筋トレ経験者の男性を対象にした実験で、バーベルヒップスラスト、ルーマニアンデッドリフト、バックスクワットの下半身の筋肉に対する効き目を筋活動の測定によって比較した
- 実験の結果、ヒップスラストが最もお尻の筋肉を刺激しており、この効果はスクワットよりも有意だった。一方で、スクワットは最も太ももの筋肉にを刺激しており、こちらもヒップスラストやルーマニアンデッドより有意だった
- お尻を重点的に鍛えたい場合はヒップスラストやルーマニアンデッド、下半身を満遍なく鍛えたい場合はスクワットが効果的かもしれない
赤羽(Akabane)
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#1 Delgado J, Drinkwater EJ, Banyard HG, Haff GG, Nosaka K. Comparison Between Back Squat, Romanian Deadlift, and Barbell Hip Thrust for Leg and Hip Muscle Activities During Hip Extension. J Strength Cond Res. 2019 Oct;33(10):2595-2601. doi: 10.1519/JSC.0000000000003290. PMID: 31356511.