赤羽(Akabane)
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新型コロナウイルスは乳幼児でも感染すると重篤化する危険性が高いことが判明。
新型コロナウイルスの症状に関して、最新のデータを共有します。
新型コロナウイルスは18歳未満でも年齢が低くなるほど重症化の危険性が高まる
2020年3月半ばに米国小児科学会の「Pediatrics」誌に掲載された研究(#1)によると、新型コロナウイルスは高齢者や基礎疾患持ちの患者以外にも、乳幼児がかかると重篤化の危険性が高まることが分かったようです。
この研究は、2020年1月16~2月8日の間に中国北京の国立感染症対策センターに報告された感染ケース2143名(年齢の中央値7歳)分のデータを集めて、未成年の新型コロナ感染やその症状の重さを調べた疫学調査になります。
もう少し詳しく研究内容をまとめると、こんな感じでした。
- 対象年齢は18歳未満の乳幼児~青少年で、うち56.6%は男子だった
- 症状の重さは胸部X線や検疫の結果、新型コロナの症状を鑑みて「無症状」「軽度」「中度」「重度」「致命的」に分類された
- 感染ケースは大きく「確定ケース(34.1%)」と「疑いがあるケース(65.9%)」で構成された
症状の重さはちょっとトリッキーで、肺炎に罹っていても低酸素血症や息切れが見られなければ「中度」の分類になります。「重度」に分類されるのは、呼吸困難や低酸素状態が続くことによるチアノーゼが見られた場合、との基準でした。
そしてこうした診断基準と感染症患者の年齢や性別などを照らし合わせると、以下のようなことが分かりました。
まとめると、高齢者や基礎疾患患者以外にも、特に乳幼児の場合で新型コロナウイルス感染による重症化の危険性が高いことが分かりました。日本で例えるなら、生まれてから幼稚園を卒園するまでの幼い子どもたちでは比較的重症化のリスクが高いかも、と。
ちなみに性別では特に重症化リスクに差は見られなかったようで、あくまでも症状の重さに影響するのは年齢であると考えられます。
注意点・まとめ
ただし注意点もあって、ザっと以下の点は押さえておくと良さそうです。
- データは限られている:今回含まれたデータは中国の国立感染症対策センターに報告された感染ケースのみなので、他国の医療体制でも同じことが言えるのか?は不明
- 子どもの新型コロナ感染による細かい症状は調査できなかった:データの収集時に一人一人の細かい症状の特徴までは得られなかったようで、子どもが新型コロナに感染した場合に大人と比べてどんな症状の違いがあるのか?といった部分は不明
赤羽(Akabane)
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#1 Dong Y, Mo X, Hu Y, et al. Epidemiological characteristics of 2143 pediatric patients with 2019 coronavirus disease in China. Pediatrics. 2020; doi: 10.1542/peds.2020-0702.