赤羽(Akabane)
目次
情熱には2種類ある!研究でわかった人生に欠かせないパッションとは?
どういうことなのか?早速参考になる研究を見ていきましょう。
ハーモニアス vs. オブセッシブ!人生を豊かにするパッションは?
ここでは、モントリオール大学の心理学教授であるロバート・J・バレランド氏が提唱した「情熱の二元モデル(#1)」について簡単な説明をしていきます。
まずこのモデルでは、情熱(パッション)には大きく2つのタイプがある!としていて、それが次の2つです。
- ハーモニアス・パッション(HP):自然と情熱を注ぐ対象に取り組んでいたり、内部的なプレッシャーもなく好きな気持ちから体が動くタイプの情熱
- オブセッシブ・パッション(OP):憑りつかれたような、情熱を注ぐ対象に取り組むように内部的なプレッシャーを生み出したり、執着を見せるタイプの情熱
ハーモニアスは「友好的な」といった意味合いで、オブセッシブは「執着的な」という意味合いがありますね。どちらも物凄い熱量で取り組むんですが、その心のよりどころが違う感じ。
実際に2003年にバレランド氏らが発表した研究(#2)では、4つの実験から900名以上を対象にこのモデルを検証したようで、ここからこんなことが分かりました。
HPとOPの共通点は..
- 対象の活動に高い価値を見出している
- その活動が好き
- 多くの時間を割いている
HPのタイプは..
- 活動中や後に感じるネガティブ感情が少なかった
- 活動への参加を邪魔されてもネガティブ感情が湧かなかった
- ポジティブな感情が高まった(集中力、フロー)
OPのタイプは..
- 活動中や後にネガティブ感情を感じることが多かった
- 活動への参加を邪魔されるとネガティブ感情が高まった
- 対象の活動に対してより厳しいこだわりを見せた
まとめると、情熱を持つならばハーモニアス・パッションのほうが人生を豊かにしてくれそうです。一方でオブセッシブ・パッションはよりストイックな精神性ですが、その分ネガティブな感情が付きまとうことが多い様子。
しかもオブセッシブ・パッションはそのストイックさ故か、よりリスキーな行動に走りがちでした。実験の中でモントリオール地域のサイクリストを対象にしたものがありましたが、この中で冬にもサイクリングを続けた人ではOPの傾向が高く見られたんだとか。当然寒さもありますし、雪も降る可能性もあるわけですから、かなりリスキーですね。
まとめ
では最後に今回のまとめとして、バレランド氏らの見解で締めましょう。
「どのようにして人々の暮らしは最も価値あるものになるか?」私たちはこれに一つの答えを投げかけます。「日々の活動に対してハーモニアス・パッションを持って取り組むことだ」[筆者訳]
皆さんもハーモニアス・パッションを意識して過ごされるとよろしいかと思います。
赤羽(Akabane)
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#1 Vallerand RJ. On the psychology of passion: In search of what makes people’s lives most worth living. Can Psychol. 2008;49(1):1–13.
#2 Vallerand RJ, Blanchard C, Mageau GA, et al. Les passions de l’ame: on obsessive and harmonious passion. J Pers Soc Psychol. 2003 Oct;85(4):756-67.