HIIT(高強度インターバルトレーニング)の心身への健康効果を総まとめ!

HIIT(高強度インターバルトレーニング)の心身への健康効果を総まとめ!

赤羽(Akabane)

今回は「HIITの心身への健康効果を総まとめ!」というお話です。

HIIT(高強度インターバルトレーニング)の心身への健康効果を総まとめ!

HIITは「High Intensity Interval Training(高強度インターバルトレーニング」の略で、文字通り数秒〜数分単位で高強度のトレーニングと休憩を交互に繰り返す運動のことです。

こうした運動は心肺機能を改善したり、時短しながら脂肪を燃やせる!として近年評判でありますが、最近HIITの効果についてまとまった見解が出ていました。

HIITの心身への健康効果はいか程なのか?

2020年にキングスカレッジロンドンが発表したアンブレラレビュー(#1)では、HIITに関する33件の系統的レビュー(うち25件はメタ分析)を集めて、現段階で科学的に分かっている心身への効果をまとめてくれていました。

この研究でレビュー対象になったのは、健康な子供から大人、心血管代謝系に疾患のある人、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、など幅広い特徴の人たちで、HIITの実験期間は最短1回〜12ヶ月まで結構バラバラです。でHIITのセッションは週に1〜6回とこちらもまちまち。

そして今回対象になったバイオマーカーは以下の通りです。

  • 心血管代謝
  • 炎症性サイトカイン
  • 心臓・呼吸器機能
  • 筋肉量や構造
  • 認知機能
  • メンタルヘルス

また上記以外にも、副作用や主観的な楽しさ、QoL(生活の質)などの項目もチェック済みで、感覚的な面でもメリット/デメリットがあるかどうか?まで調べてくれています。

そしてこの総まとめの結果、以下のようなことがわかりました。

結果
  • HIITは何もしないグループと比べると、心血管代謝の数値、体型、血糖値、糖代謝、動脈の血管状態や機能、心拍数、いくつかの炎症性サイトカイン、運動能、筋肉量を有意に改善した
  • HIIT以外の運動グループと比べると、心血管代謝の数値、いくつかの炎症性サイトカイン、筋肉の構造が有意に改善した
  • 実験前後で比べると、不安感やうつ症状が有意に改善していた

まとめると、HIITは慢性病に関わるあらゆるバイオマーカーを改善、メンタルにも効き目が見られたようです。

しかも全体的に実験内で行われたHIITプログラムの遵守率も80%を超えていたようで、つまり、実験の期間内ではひとまず長続きしやすい傾向も見られたんですね。また深刻な副作用は特に確認されず、ちょっとした痛みなどを除けば、比較的安全性もあることがわかりました。

更に細かく見ると、HIITのプログラムは以下のような条件で高い効果が確認されたようです。

  • インターバルは2分以上
  • 1セッションは15分以上の走り込みベース
  • 週に2〜3回を7週間以上

これを踏まえると、タバタ式のような短時間超濃縮型のHIITよりも、比較的ゆったりと長く行うHIITの方が全体的に健康にはよろしいみたいです。

注意点・まとめ

ただし注意点としては、以下の点は押さえておくと良さそうです。

注意
  • 副作用と遵守率まで調べたのは全体の研究の42%と36%のみだった
  • QoLや炎症を調べた実験は少なかった
  • 規模が大きく分、各実験のデザインにはバラツキが大きいため、統計的な効果の測定などはできなかった

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • HIITは心身の健康に幅広い健康効果が確認された
  • 糖尿病や循環器疾患などのリスク因子や、不安やうつ症状の程度も改善、続けやすさもなかなかのようだ
  • ただ他のタイプの運動よりも格別優れているということはないかも

こんな感じでしょうか。HIITは時短効率も良いですし、短時間でスパッと運動を済ませたい方にはおすすめですね。

赤羽(Akabane)

HIITについては以下でも色々紹介しています。細かい部分をもっと知りたい!という方は是非ご覧ください!

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【高強度インターバルトレーニング(HIIT) vs. 中強度運動】健康面のメリットは?心肺機能を高めるメニューの条件は?【高強度インターバルトレーニング(HIIT) vs. 中強度運動】健康面のメリットは?心肺機能を高めるメニューの条件は?

参考文献&引用

#1 Rebecca Martland, et al. Can high-intensity interval training improve physical and mental health outcomes? A meta-review of 33 systematic reviews across the lifespan. Journal of Sports Sciences, Volume 38, 2020 – Issue 4.