赤羽(Akabane)
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2019年最新研究!HMBで筋トレ効率アップ!がいよいよ科学的に疑わしくなったきた件。
本題の前に、まずはHMBについてとHMBがトレイニーたちに人気である理由を見ていきましょう。
HMBがトレイニーたちに人気である理由
HMBについて簡単にまとめると、以下のような感じです。
HMBとは?大人気の裏側のメカニズム
- HMBは“BCAA”で有名なアミノ酸「ロイシン」の代謝物
- 筋肉合成に欠かせない「ロイシン」は最終的に5%がHMBになる
- であれば最終形態のHMBをサプリで摂れば筋肉アップに最適なんでは?!
- トレイニーのみんな!HMBを摂ろう!
簡単に言うと、HMBとはBCAAの一種ロイシンの最終形態みたいなもの。しかもロイシンが幾ら束になってかかっても、結局はその5%しかHMBにならない、と。これだけで何だか試したくなる内容であります。
そして実際に、HMBは筋合成を促すmTORという伝達物質を活性化させるので有名だったりします。ここまでくるとHMBを使うべし!という気持ちもよくわかります。
最新研究で「HMB vs ロイシンサプリ」を戦わせてみると..?
ではここから本題へ。今回は実際にロイシンとHMBを直接対決させてみましょう。2019年に発表された研究(#1)によって、正にこの対戦カードが実現されております。
この研究は筋トレ経験者26名(23 ± 2歳)を対象に行われたもので、まずメインとして12週間の実験期間で筋トレをしてもらったようです。
でこの筋トレ期間に参加者らを、
- HMB1.5g+ホエイプロテイン25gを一日に2回摂取するグループ
- ロイシン1.5g+ホエイプロテイン25gを一日に2回摂取するグループ
こういったグループに分けつつ、脂肪、除骨量脂肪、外側広筋の厚さと横断面積、筋繊維の横断面積、1RM(最大挙上重量)が実験前後で測定されたみたい。
筋トレのフェーズは大きく3つに分けられて、
- 8週間の筋トレ(週に3回)
- 2週間の追い込み筋トレ(週に5回)
- 2週間の流し筋トレ(週に3回)
こんな感じで進められた様子。でこのフェーズごとにクレアチンキナーゼ(筋肉疲労のサイン)、コルチゾール(ストレスホルモン)などの血清レべルもフェーズ毎に測定したようです。
簡単に言うと、この実験ではロイシン vs. HMBで期間中に鍛えた部位の筋肥大、筋力の成長具合をグループ間で勝負をさせているんですね。結果はこんな感じになりました。
- 全体で12週間後の筋力アップ、筋肥大効果が見られた!
- ただしロイシンとHMBで筋力、筋肉量増加レベルに差はナシ!
- 血中のクレアチンキナーゼやコルチゾールの増減もトレーニングフェーズ中同じような変化だった
まとめると、効率がいいはずのHMBは前身のロイシンと大して効果が変わらず!といったところです。筋力アップに関しては、2018年のメタ分析(#2)でも効果ナシの烙印を押されていましたが、まさか筋肥大や筋肉回復も怪しいとは..
とはいえ、今回の研究は単一ですし期間も3ヵ月と決して長期ではありません。確証を得るには「ロイシン vs HMB」のRCT研究を集めたメタ分析を待つほかなさそうです。
赤羽(Akabane)
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#1 Jakubowski JS, Wong EPT, Nunes EA, Noguchi KS, Vandeweerd JK, Murphy KT, Morton RW, McGlory C, Phillips SM,”Equivalent Hypertrophy and Strength Gains in β-Hydroxy-β-Methylbutyrate- or Leucine-supplemented Men.“,Med Sci Sports Exerc. 2019 Jan;51(1):65-74.
#2 Sanchez-Martinez J, Santos-Lozano A, Garcia-Hermoso A, Sadarangani KP, Cristi-Montero C,”Effects of beta-hydroxy-beta-methylbutyrate supplementation on strength and body composition in trained and competitive athletes: A meta-analysis of randomized controlled trials.“,J Sci Med Sport. 2018 Jul;21(7):727-735.