IQが高い人(IQ≧115)は友達付き合いが控えめなほうがいい?
2016年に『British Journal of Psychology』に掲載された研究(#1)によると、IQの高さによって友達との交流頻度と幸福度に差が出たようです。
まずは研究の概要からザっと見てみましょう。
- 対象者は15197人の若者(18~28歳)
- 性別、年齢、人種、教育、結婚ステータスなどの要素は調整済み
- 主観的な人生幸福度(満足度)、住んでる地域の人口密度、IQ、友人との社会的交流の頻度のアンケートをとった
上のアンケート項目の間でどんな相関関係があるのかを調べたのですね。ちなみにIQの基準は低い(IQ≦81)、高い(IQ≧115)となっていたようです。結果は次のようになりました。
- IQに関係なく、人口密度は少ないほうが人生満足度が高かった
- IQが低い人はほぼ毎日の友達との交流で人生満足度が際立って高くなった
- IQが高い人は週に2回以下のほうが人生満足度が高くなった
どうやら大都市でも少人数の友達と交流していれば、人生の満足度も高くなる可能性が示されました。一方でIQに関しては、高いのと低いのとでは友達との交流頻度の適性が変わってくるようです。
しかし面白いことに、この大規模調査ではIQの高い人ほど友達との交流頻度は高かったようです。つまり当の本人たちは自分らの幸福度が最も高まる人付き合いをあまり認識していないということになります。IQの高い人たちは、人付き合いが盛んでありながら、それが自分たちの性に合っていないことに気づいてないかもしれないんですね。
結論、IQの差によって適した友人との付き合い方は変わってきそう。しかし「IQが高い人は友達と距離を置け!IQが低い人はパリピなほうが幸せだぞ!」みたいな極論にはならないのでその点は注意が必要。本当に孤独になってしまうと、「孤独はめちゃくちゃ体に悪い!」でも紹介したように早死にのリスクを高めてしまいます。
赤羽(Akabane)
参考文献&引用
#1 Norman P. LI,Satoshi KANAZAWA,”Country roads, take me home… to my friends: How intelligence, population density, and friendship affect modern happiness“,British Journal of Psychology,Vol.107,No.4,2016.
※当記事はメンテナンス済みですが、2018年5月4日に公開された時点での内容となっておりますので、情報が古くなっている場合もあります。