赤羽(Akabane)
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仕事の見方を180度変える「ジョブクラフティング」とは?
「好きなことで、生きていく」とはよく言ったものですが、本当に好きなことだけで生計を立てるのは簡単ではありません。だからといって、やりたくもない仕事を死ぬまで続けるのも酷な話。
どうしたものか…こんな時に処方箋となってくれるのが「ジョブクラフティング」の考え方です。これは簡単にいうと、以下のような方法です。
- 仕事への見方や視点をガラッと変える方法
では具体的な方法に入る前に、幾つかの研究を見ていきましょう。
ジョブクラフティングで幸福度と仕事パフォーマンスが上がった!
例えば、2013年にエラスムス・ロッテルダム大学が行った研究(#1)では化学工場を舞台に288名の従業員を対象に、彼らのジョブクラフト度合いを追う調査を行ったようです。するとこの調査の結果、
- ジョブクラフティングをしていた従業員ほど仕事の先行きへの見通しができていた(スキルアップや効率アップ、その為の意欲など)
- この傾向が満足度、仕事への高い熱中度、バーンアウトの減少と相関があった
どうやらジョブクラフティングは仕事への満足度、熱中度を上げて充実感をもたらしてくれた様子。更に燃え尽き症候群のリスクも下げてくれてなかなかメンタルに良さげ。
そして勿論、組織の個々のレベルが上がれば組織全体のパフォーマンスも上がります。例として2018年の研究(#2)では、ナースや医療スペシャリストたちがそれぞれ違ったジョブクラフティングをした結果、
- スキルアップへの意欲、仕事への満足度や熱中度が高まった
- 仕事への適応力が高まり、伴って疲労感が減って仕事に余裕が生まれた
- 全体的なパフォーマンスの目立った向上は医療スペシャリストにのみ見られた
どうやら細かいシチュエーションで効果がちょっと異なる様子。一応組織全体で仕事効率アップが見込めるみたいですが、ナースと医療スペシャリストではパフォーマンスの改善でちょっとした差が出ていたり。
・医療スペシャリスト…とにかくケアの質を向上
二者ではジョブクラフティングの目標とするところが違っているのがわかるかと思います。それではジョブクラフティングはどうやって取り組めばいいのか?最後にそこをザックリ紹介して終わります。
ジョブクラフティングの3本の矢
ここまでのおさらいとして、ジョブクラフティングは仕事への見方、枠組みを見直すテクニックでした。仕事がつまらないものだと仮定すれば、どのように工夫して仕事にやりがいを見出そうか?というところになります。
そして最後に、ジョブクラフティングの3本の矢(#3)を紹介して締めくくりたいと思います。是非参考までに。
仕事を変える
仕事の量、幅、種類を変えてみる。仕事が多すぎて辛いのなら、可能な限り仕事量を減らしてみる、など。
人間関係を変える
職場を取り巻く人付き合いを変えてみる。いつも同じグループで固まってイマイチ新鮮味に欠けるのであれば、上司とお昼を食べてみる、など。
自分の思考を変える
考え方や仕事への捉え方自体を変えてみる。これが一番変えやすい。クレーム処理の仕事(普通なら嫌な仕事)なら、クレーマーの奇想天外な有難いお言葉をメモにしたためて笑いのネタにする、など。
赤羽(Akabane)
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#1 Maria Tims,Arnold Bakker,Daantje Derks,”The Impact of Job Crafting on Job Demands, Job Resources, and Well-Being“, Journal of Occupational Health Psychology 18(2),March 2013.
#2 Heather J.Gordon,EvangeliaDemerouti,Pascale M.Le Blanc,Arnold B.Bakker,TanjaBipp,Marc A.M.T.Verhagen,”Individual job redesign: Job crafting interventions in healthcare“,Journal of Vocational Behavior,Volume 104, February 2018, Pages 98-114.
#3 Positive Psychology Program,”Job Crafting: The DIY Approach to Meaningful Work“,on the 5th of September 2018 accessed.