赤羽(Akabane)
目次
「MCTオイル」とは?科学的なダイエット&脂肪燃焼効果を見てみよう
ダイエット界隈ではすっかりお馴染みですが、まずは「改めてどんなもの?」というところを図解付きでザっと見ていきましょう。
MCTオイル = 中鎖脂肪酸
「MCTオイル」は「Medium-Chain-Triglyceride(中鎖脂肪酸)」の略で、ココナッツオイルやパーム油などに含まれるこの脂肪酸だけを取り出したオイルを指します。
普段オイルに使われるオリーブオイルやキャノーラ油などは、どれも「長鎖脂肪酸」で、こちらは消化吸収に時間がかかります。その点、MCTオイルは小腸から門脈という場所を通って直接肝臓に運ばれるので、消化吸収も速くて、いち早くエネルギー(ケトン体)に変換されるというメリットがあるんですね。
では次に実際のダイエット効果について、巷で騒がれているようなメリットは得られるんでしょうか?まとまったデータを見ていきましょう。
MCTオイルの減量効果を調べた研究を総まとめした見解!
これは2015年にサンパウロ連邦大学が発表したメタ分析(#1)で、11件のRCTから399名を対象に、長鎖脂肪酸のオイルをMCTオイルに置き換えたら痩せるのか?を調べたものです。
実験は4~16週間(4、12週間が多め)で行われて、最低でも一日5g以上の長鎖脂肪酸をMCTに置き換えるという内容でした。
そして実験前後で参加者らの体型をチェックしたところ、こんな結果になりました。
- MCTオイルに置き換えた人は実験期間で有意に減量していた(-0.69 kg; 95%CI -1.1 ~ -0.28 ;p = 0.001)
- 体脂肪も有意に落ちていた(-0.89 kg; 95%CI -1.27 ~ -0.51 ;p = 0.001)
- ウエスト周りも有意に細くなっていた(-1.78 cm; 95%CI -2.4 ~ -1.1 ;p = 0.001)
まとめると、MCTオイルに置き換えることで4~12週間のうちにダイエット効果が得られたんですね。しかもこうした効果は、実験期間が長いほど表れやすかったのだとか。
ただ注意が必要なのは、含まれた研究のうち数件で食事内容が報告されていなかったり、報告バイアスの可能性がある点です。要は、実験デザインの質が低い研究が半分くらいあるということですね。
とはいえ、同じく2015年に発表されたメタ分析(#2)でも同様の結果が出ているんで、ひとまず【MCTオイル置き換えダイエット】は試してみてもいいのかなと思います。
まとめ
では最後に今回のまとめを見ていきましょう。
- MCTオイルは「中鎖脂肪酸」のことで、消化吸収が速くて即席のエネルギー源として優れている
- まとまった研究結果によると、長鎖脂肪酸をMCTに置き換えることで短期的なダイエットは見込める様子
- ただし摂りすぎてもカロリーオーバーになるので程々に
こんな感じでしょうか。普段違うオイルを使われる方は、MCTに置き換えるのもアリかなと思います。ただ、流行りのコーヒーに入れたり、そのまま飲んだりするスタイルは無駄なカロリーを増やすだけなのであまり賛成しません(笑)
赤羽(Akabane)
関連記事はこちらをどうぞ
コレステロール値や中性脂肪が気になるあなたへ「脂質改善に最強のオイル」とは?【値段は関係なし】偽物にご用心。買ってはいけない&本物のおすすめエキストラバージンオリーブオイル参考文献&引用
#1 Bueno NB, de Melo IV, Florêncio TT, Sawaya AL. Dietary medium-chain triacylglycerols versus long-chain triacylglycerols for body composition in adults: systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. J Am Coll Nutr. 2015;34(2):175-83.
#2 Mumme K, Stonehouse W. Effects of medium-chain triglycerides on weight loss and body composition: a meta-analysis of randomized controlled trials. J Acad Nutr Diet. 2015 Feb;115(2):249-63.