シリコンバレー発!完全無欠の「ブレットプルーフコーヒー」とは?科学的な効果と注意点を見てみよう

シリコンバレー発!完全無欠の「ブレットプルーフコーヒー」とは?科学的な効果と注意点を見てみよう

赤羽(Akabane)

今回は「完全無欠!ブレットプルーフコーヒーってどうなの?」というお話です。

シリコンバレー発!完全無欠の「ブレットプルーフコーヒー」とは?科学的な効果と注意点を見てみよう

まずは、そもそもブレットプルーフコーヒーって何よ?というところからザっと見ていきましょう。

完全無欠な朝を再現!シリコンバレー式で登場した「ブレットプルーフコーヒー」

「ブレットプルーフ」とは和訳で「防弾の、抜け目のない」という意味で、ガチガチな直訳だと「防弾コーヒー」「完全無欠コーヒー」とも呼ばれていますね。

これは名著「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」でも登場したコーヒーで、著者のデイヴ・アスプレー氏が考案したものだそう。

で具体的な内容はこんな感じになります。

ブレットプルーフコーヒーの材料

  • コーヒー2杯分(470㎖くらい)
  • 無塩バター 大さじ2杯(28gほど、グラスフェッドが好ましい)
  • MCTオイル 大さじ1~2杯(15~30㎖)

ザックリと、土台の「コーヒー」に「無塩バター」と「MCTオイル」をミキサーでブレンドするだけ!というイメージ。MCTがない場合はココナッツオイルで代用しても良いそうです。材料さえそろっていれば誰でもすぐに作れそうで良いですね。

では次に、実際のところブレットプルーフコーヒーって体にどう良いの?デメリットは無いの?という点を見ていきましょう。

ブレットプルーフコーヒーの健康面でのメリット

コーヒーの健康効果が見込める

まず土台のコーヒーの恩恵が得られますね。2018年に発表されたアンブレラレビュー(#1)では、コーヒーのこんな健康効果が報告されています。

結果
  • 一日3~4杯のコーヒーで総死亡リスクが17%低下
  • 心臓疾患による死亡リスクは19%低下、発症リスク自体は15%低下した
  • コーヒーの摂取量が多い群は、少ない群よりもがんの発症リスクが18%低かった
  • 二型糖尿病のリスクは30%低かった
  • 肝硬変のリスクは31%低かった

まとめると、(砂糖なしブラック)コーヒーはあらゆる生活習慣病に効果的なんですね。ここに挙げたのは一部なので、詳しくはこの研究を取り上げたこちらをご覧ください。

コーヒーの驚くべき健康効果と飲むと危険な人、一日の最適な摂取基準を総まとめ!

食欲を抑える効果が見込める

ブレットプルーフコーヒーの「無塩バター」に豊富な飽和脂肪酸が、食欲を抑えて食べ過ぎを防いでくれる効果も見込めるかもしれません。

ただこの点は、2012年の系統的レビュー(#2)を見ていると、MCTの体型やエネルギー支出に関する14件の研究を集めたところ、そのうちのたった1件でしか満腹感を高める効果が確認されていなかったりします。

「食欲が満たされる!」はブレットプルーフコーヒーのメリット代表格ですが、まだそこまでのエビデンスは出そろっていない印象ですね。それに、他の食品と比べて格別食欲が抑えられるか?と言えばそこまでではないのかもしれません。

ケトジェニックダイエットの最良の友になる

「MCTオイル」の中鎖脂肪酸は、消化吸収の時に小腸から肝臓へ運ばれるのが速いぶん、エネルギーとして使われやすいです。

で特に、この中鎖脂肪酸はケトジェニックダイエットでおなじみの「ケトン体」に変換されて(#3)、ケトジェニック中は優先的にエネルギー源として使われて脂肪燃焼を助けてくれる効果が見込めます。

その他MCTの効果について、詳しくは以下をご覧ください。

【図解付き】ダイエットで大注目の「MCTオイル」とは?3つの特徴と科学的な減量&脂肪燃焼効果を見てみよう【図解付き】「MCTオイル」とは?科学的にダイエット&脂肪燃焼効果はあるのか?

ブレットプルーフコーヒーの考えつくデメリット

では一方でデメリットは何か?強いて挙げるならば次のような点でしょうか。

注意
  • カロリーが増える:MCTなら比較的カロリーも少ないですが、ココナッツオイルで代用したい場合は注意が必要。大さじ2杯でも200kcalくらいになります。
  • 飽和脂肪酸が増える:バターの分や、ココナッツオイルを使う場合は特に飽和脂肪酸の分量が多くなります。飽和脂肪酸の健康への影響はまだ賛否が分かれますが、WHOは総カロリーの10%におさめましょうと声明を出しています。
  • 栄養バランスが崩れやすい:ブレットプルーフコーヒーは朝ご飯の代替品としてオススメされるようですが、頼りすぎると栄養価が偏るので気を付けたいところです。

まとめると、ブレットプルーフコーヒーを飲んでメリットがあるかどうか?は結局他の食生活によるかと。別のところでカロリーが多かったり、脂っこいものを沢山食べるなら普通にブラックコーヒーの方が良いんでは?と思います。

まとめ

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 牧草牛の無塩バターとMCTオイルをコーヒーとミキサーした「ブレットプルーフコーヒー」
  • ケトジェニックダイエット実践者やコーヒーを普段飲む習慣がない人が始めるにはいいかも
  • カロリーや飽和脂肪酸が多くなりがちなので、他の食事とのバランスをとりましょう

こんな感じでしょうか。ブラックコーヒーが飲めない方や、ちょっと飽きた!という方は試してみても良いんではないかと思います。

赤羽(Akabane)

個人的には、朝はブラックコーヒーかなぁ..と。いかんせんブレットプルーフコーヒーだとプチ断食のメリットが半分くらいかき消されてしまうので。興味のある方は以下の関連記事もご覧ください。

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参考文献&引用

#1 Robin Poole, Oliver J Kennedy, Paul Roderick, et al. Coffee consumption and health: umbrella review of meta-analyses of multiple health outcomes. BMJ,2017.

#2 Rego Costa AC, Rosado EL, Soares-Mota M. Influence of the dietary intake of medium chain triglycerides on body composition, energy expenditure and satiety: a systematic review. Nutr Hosp. 2012 Jan-Feb;27(1):103-8.

#3 Valérie St-Pierre, Camille Vandenberghe, Carolyne-Mary Lowry, et al. Plasma Ketone and Medium Chain Fatty Acid Response in Humans Consuming Different Medium Chain Triglycerides During a Metabolic Study Day. Front. Nutr., 16 April 2019.