マインドフルネスが人生の質を高めるのにとても大切な3つの理由

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マインドフルネスが人生の質を高めてくれる3つの理由

マインドフルネス メンタル 効果

今回は「マインドフルネスは人生の質を上げるのに超大事!」というお話です。
 
 
本題の前にまず「マインドフルネスって何ぞや?」というところからおさらいしていきましょう。
 

マインドフルネスとは?

マインドフルネスとは、簡単に言うと「今ココの意識」のことで、いかに未来や過去でなく今に意識が向いているか?のことです。
 
 
マインドフルネスに関する2018年のレビュー研究(#1)では、こんな風に定義されております。
 

マインドフルネスは訓練やその過程、特徴を広義的に指して使われる言葉であり、多くは物事に注意を向ける力、気づき、記憶、受容の精神に関連している。この言葉は仏教にそのルーツを持っている一方で、心理学や精神医学、神経学やその他さまざまな分野で人気を博している。[筆者訳](#1)

 
キーワードは「注意」「受容」あたりでしょうか。とにかくこの瞬間に注意(意識)を向けて感情や気持ちの流れを受け容れる、と言った感じです。
 
 
ただ、現代ではこうしたマインドフルネスな状態になるのは非常に難しいのではないかとも思うわけです。幾つか例を挙げてみますと、
 

  • 目の前の信号の色を気にして歩いている(点滅しませんように!)
  • スマホをいじりながら食べ物を胃に流し込む(どのくらい食べたか覚えていない)
  • 朝起きたらその日の仕事・授業のことで頭がいっぱい(面倒くさいなあ.. あれやってこれやって..)

 
こんな感じで、現代人は未来のスケジュールやタスクにばかり気を取られてしまっており、“今この時”に意識を向ける余裕がないんではないかと。心当たりはありましょうか?
 

過去のマインドフルネス研究を片っ端まとめた結果…

では本題に入ります。マインドフルネスが人生の質を上げる有望株と言えるのはどうしてなのでしょう?
 
 
その答えとして参考になるのが、2019年にバース大学が発表した系統的レビュー(#2)です。
 
 
この研究では、何と過去のマインドフルネス研究を93件集めて、34620名を対象に結論をまとめてくれています。
 
 
でここから何が分かったのか?というと、

 

マインドフルネス度が高い人は...
  • うつ症状などメンタルに問題を抱えることが少ない
  • 壊滅的な思考パターンをすることが少ない
  • 感情のコントロールが良くできている
 

この3つの傾向です。どうやらマインドフルネス度が高いとメンタルが強く柔軟になるみたい。
 
 
自分で勝手にネガティブ思考のドツボにはまったりもしないし、根本的に気持ちのコントロールも上手いということですね。
 

研究を細かく見てみると…

では次に今回の研究をもう少し細かく見ていきましょう。
 
 
まず対象になった93件の研究を見てみると、大まかに次の3つのテーマに分かれていました。

 

  • 精神病理的な症状とのかかわり…うつ病、不安、摂食障害、境界性パーソナリティー障害、PTSD
  • 認知プロセスとのかかわり…ストレスコーピング、反芻思考、苦痛の増幅、神経症性、実行機能、衝動性
  • 感情的な要素とのかかわり…ストレス、感情の自己制御、感情/ストレス反応、立ち直り、精神安定性、幸福度

 

各テーマ別に分かったことをもっと詳しく見ていきましょう。
 

精神病理的な症状

  • 最も多くの研究で効果が確認されたのが「うつ症状」への効果
  • 他にもうつに伴う「自己効力感の低下」「人生の面倒ごと」「ストレス感覚の増大」といったマイナス要素の影響も緩和してくれる可能性がある
  • 不安症にも効果があって、不安感度が下がったり社会不安の改善も見込める
  • 摂食障害への効果も8件の研究で確認できた
  • 境界性パーソナリティー障害への効果は2件のみで、結論は出せない

 

認知プロセス

  • 最も多くの研究で検証されたのが「ネガティブな思考プロセス」との関係
  • マインドフルネス度が高いと、ストレスから「逃げる」戦略を取らない傾向がみられた(先延ばしなど)
  • 反芻思考も減って、ネガティブ思考の負の連鎖にハマりにくい傾向も
  • 苦痛な気持ちを増幅させる傾向も少なかった
  • 実行機能の改善効果は1件のみで、結論は出せない

 

感情的な要素

  • マインドフルネス度が高いと感覚的なストレスが少なかった
  • 逆境に対しても感情やストレスの起伏が落ち着いている傾向も
  • ストレスに直面した時も適切に対応できていた
  • 心理的な幸福度とも相関が見られた

 
これを見ると、マインドフルネスがもてはやされる理由も何となく分かる気がしますね。
 
 
特に「反芻思考」みたいな壊滅的な思考のクセは、うつ病はじめあらゆる精神疾患の入り口みたいなもの。ですのでこの部分に効くというのは重要なポイントかと思います。
 

注意点・まとめ

ただし今回の研究の注意点を挙げておくと、

 

  • 対象者の大半が学生:違う年齢層にも一般化できるか?は断言できない。
  • 「マインドフルネス」の測定基準がバラバラ:色々なテストがあって、研究ごとに結構違うものを使っている。
  • 「マインドフルネス」の定義がバラバラ:マインドフルネス研究最大の課題。

 

この辺りは押さえておくとよろしいかと思います。如何せん、マインドフルネス自体定義が曖昧なもので、研究によっても当然違うケースが多いんですね。
 
 
加えて測定基準もバラバラです。見たところ、大半の研究が「the Mindful Attention Awareness Scale(#3)」か「the Five Facet Mindfulness Questionnaire(#4)」を使っている様子。K-1とRIZINみたいな感じですね(笑) これらを押さえておけば問題無さそうですが、是非統一して黄金基準を作っていただければ有難いですね。
 
 
ということで最後に今回の内容をまとめます。

 

ポイント
  • 広義でマインドフルネスがメンタル全般に効くのは間違いなさそう
  • 根本の認知プロセスから改善して、感情面や精神病理の面にも良い影響をもたらしてくれそう
  • マインドフルネス研究全体で言うとまだまだ発展途上で、測定基準も定義もバラバラ
 

こんな感じでしょうか。ザックリとマインドフルネスでメンタル面のメリットが得られそうだけど、具体的にどんな面がどの問題に効くのか?まではハッキリしていない、と。

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赤羽(Akabane)

マインドフルネスについては分かってきたことがかなり増えましたが、一方で課題も浮き彫り状態。とりあえず今できるのは、マインドフルネステストのK-1とRIZINにあたる以下をやって現状を把握しつつ、マインドフルネスを鍛えるテクニックを実践することでしょうか。ご参考までに。

マインドフルネス度診断テストのK-1とRIZINは..

マインドフルネスを鍛えるテクニックは..

参考文献&引用

#1 Nicholas T. Van Dam, Marieke K. van Vugt, David R. Vago, Laura Schmalzl, Clifford D. Saron,Andrew Olendzki,Ted Meissner,Sara W. Lazar, Catherine E. Kerr, Jolie Gorchov, Kieran C.R. Fox,Brent A. Field, Willoughby B. Britton, Julie A. Brefczynski-Lewis, and David E. Meyer,Mind The Hype: A Critical Evaluation and Prescriptive Agenda for Research on Mindfulness and Meditation,Perspect Psychol Sci. 2018 Jan; 13(1): 36–61.

#2 Eve R. Tomlinson, Omar Yousaf, Axel D. Vittersø, Lauraine Jones. Dispositional Mindfulness and Psychological Health: a Systematic Review. Mindfulness, February 2018, Volume 9, Issue 1, pp 23–43.

#3 Greater Good Science Center. The Mindful Attention Awareness Scale (MAAS) accessed on 2nd July 2019.

#4 American Mindfulness Research Association. The Five Facet Mindfulness Questionnaire. accessed on 29th June 2019.