たった週1時間の筋トレでも心血管疾患予防には効果的みたいだ

たった週1時間の筋トレでも心血管疾患予防には効果的みたいだ

赤羽(Akabane)

今回は「筋トレの心血管疾患予防効果」についてのお話です。

たった週1時間の筋トレでも心血管疾患予防には効果的みたいだ

今や筋トレが子どもから高齢者まで幅広く健康的なのは定説ですが、一体どのくらいやればいいの..?と思われる方も少なくないはず。

というわけで、この記事では最小限の筋トレと心血管疾患予防効果について見ていきましょう。

心血管疾患予防にはたった週1時間の筋トレでも効果あり?!

2020年に華東師範大学が発表した研究(#1)によると、たった週に1回、1時間の筋トレでも心血管疾患予防になる!とのことでした。

この研究では、1987〜2006年の間で少なくとも2回のメディカルチェックを受けた12,591名(平均47歳)を対象に、週あたりの運動と心血管疾患リスクの相関を調べていました。

具体的には、参加者らにセルフレポートで運動習慣などを聞き取って、心血管疾患系のイベント発症やそれによる死亡などを平均5.4〜10.4年間の追跡期間で調査したんですね。

すると調査期間で、206件の心血管疾患と276件の総死亡があって、ここからこんなことがわかりました。

結果
  • 週に1〜3回、1時間以内の筋トレをしていた人はそうでない人よりも心血管疾患発症リスクが40〜70%低かった
  • こうした結果は心血管疾患による死亡リスク、総死亡リスクにも同様に見られた
  • 意外にも週に1時間以上や4回以上の筋トレでは、上記の疾患や死亡リスクの低下は見られなかった

まとめると、週にたった1回、1時間の筋トレで心血管疾患リスクを有意に減らせるかもしれない、と。これは現時点での週当たり運動推奨量より遥かに少ないので、本当ならすごいことです。

しかもこうした結果は、有酸素運動とは切り離して考えられているようです。つまり有酸素は抜きで筋トレ単体でも十分効果は得られるのかも…ということですね。

ちなみに研究チームによると、こうした効果が得られたのはBMIの改善が影響していると睨んでいるようです。現に筋トレで心血管疾患予防効果があった人たちでは、BMIの減少も確認されたみたい。

注意点・まとめ

ただし今回の研究にも注意点があって、運動量などの調査は参加者らによる自己申告です。つまり主観が混じる恐れがある点でデータとしての精度は微妙ということに。

その他にも、最長10年にもわたる追跡期間の中で聞き取り調査が最低でたった2回しか実施されていない点も気になります。当然、これだけの期間であれば前回の回答から習慣が変わってしまった..なんて可能性も考えられますので。

では最後に今回のまとめを見ていきましょう。

ポイント
  • 週にたった1日、1時間の筋トレだけでも心血管疾患予防に効果的かもしれない
  • 今回の研究では逆に週1時間以上や4回以上の筋トレは心血管疾患リスクなどの低下と相関が見られなかった
  • ただ研究の質などの観点から、週1時間の筋トレの効果や週4回以上の筋トレで効果がないという結果の信頼性はまだ微妙なところ

こんな感じでしょうか。週4以上の筋トレは心血管疾患の予防にならない、という結果は正直まだ様子見が必要かと思います。

赤羽(Akabane)

とはいえ筋トレが健康にイイ!というのは間違いないので、他にも筋トレを始めるモチベーションが欲しい方は以下も併せてご覧いただくとよろしいかと思います。

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参考文献&引用

#1 YANGHUI LIU, et al. Associations of Resistance Exercise with Cardiovascular Disease Morbidity and Mortality. Medicine & Science in Sports & Exercise. 51(3):499–508, MARCH 2019.