赤羽(Akabane)
目次
ストレス解消ハーブ「ロディオラ・ロゼア」の効果や副作用、サプリの摂取量基準とは?
ではまず、ロディオラ・ロゼアって何?というところをザッとおさらいしておきましょう。
ロディオラ・ロゼアとは?
ロディオラ・ロゼアは「イワベンケイ」という多年生草の一種で、根っこや根茎がハーブとして使われるアダプトゲンです。
詳しい効果についてはこの後触れますが、ストレスといえば!というくらいストレスや疲労感への効果が報告されているハーブですね。
ではここから、ロディオラ・ロゼアの効果について順に触れていきます。 参考は2017年にチューリッヒ大学の教授らが発表したレビュー研究(#1)です。
ロディオラ・ロゼア vs. ストレス症状や認知機能
まずは抗ストレス効果やメンタル・認知の容量アップ効果から。この分野についての研究結果を見てみると、
ザっとこんな感じになっています。2011年にも、11件のRCTをまとめた系統的レビュー(#4)が出ていて、全体的にフィジカル&メンタルのパフォーマンスを高めてストレスを軽減してくれるみたいですね。
ロディオラ・ロゼア vs. 慢性疲労症状、極度の疲労
では次に疲労対策としての効果についてです。疲労といっても、ここで見るのは「慢性疲労症状」のような重めな疲労ですが。この分野についての研究結果を見てみると、
こういった報告が上がっています。こちらも2012年に、11件のRCTや臨床試験を集めた系統的レビュー(#7)が出ていますが、結果は研究によってバラバラ。フィジカルやメンタルの疲労が改善されたりされなかったり、といった際どいラインになっていました。
ロディオラ・ロゼア vs. バーンアウト
では最後に、いわゆる「燃え尽き症候群」バーンアウト対策としての効果。この分野に関する研究結果を見ていきましょう。
バーンアウトに絞ってみると、実証研究はまだまだ少ない印象です。ストレスやメンタルに効く点を考えると、バーンアウトに効いてもおかしくはないですが。
ロディオラ・ロゼアの副作用・安全性は?
ここまででロディオラ・ロゼアのストレスや疲労への効果を見てきましたが、すると気になるのが「副作用はないの?安全なの?」という部分。
この点については、ヨーロッパの薬用医薬品委員会(#9)によると、大きな副作用や他の薬との干渉も特に報告されていないようです。
ただし、実証研究はどれも数週間のものなので、年単位での使用についてはまだ様子を見たほうがよさそうですね。
まとめ
では最後に今回の内容をまとめます。
- ロディオラ・ロゼアは「イワベンケイ」の根や根茎を抽出したハーブ
- 脳に高負荷な認知タスク(注意・集中力、記憶、空間認知etc)のパフォーマンスアップやストレス、疲労感を中心にある程度改善効果は実証されている
- 人を対象にした研究をまとめたメタ分析は見たところまだ出ていない
ザっとこの辺りを押さえておくとよろしいかと思います。ロディオラ・ロゼアの効果を調べた研究は多いけれど、まだ信頼性の高いデータは出ていない、と。
赤羽(Akabane)
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#1 Ion-George Anghelescu, David Edwards,Erich Seifritz & Siegfried Kasper. Stress management and the role of Rhodiola rosea: a review. International Journal of Psychiatry in Clinical Practice, 22:4, 242-252.
#2 Heldmann, M., Roth, G., Dienel, A., & Münte, T. F. (2016). Impact of Rhodiola Rosea extract WS 1375 on electrophysiological correlates of attention allocation in a dual task paradigm. Clinical Neurophysiology, 127, e290.
#3 Darbinyan, V., Kteyan, A., Panossian, A., Gabrielian, E., Wikman, G., & Wagner, H. (2000). Rhodiola rosea in stress induced fatigue-a double blind cross-over study of a standardized extract SHR-5 with a repeated low-dose regimen on the mental performance of healthy physicians during night duty. Phytomedicine: International Journal of Phytotherapy and Phytopharmacology, 7, 365–371.
#4 Shao Kang Hung, Rachel Perry Edzard Ernst. The effectiveness and efficacy of Rhodiola rosea L.: A systematic review of randomized clinical trials. Phytomedicine, Volume 18, Issue 4, 15 February 2011, Pages 235-244.
#5 Y. V. Lekomtseva, I. A. Zhukova, I. A. Tartakovsky. Therapy effects and safety of Rhodiola Rosea extract WS® 1375 in subjects with symptoms of chronic fatigue. The Siberian Scientific Medical Journal, 12, 73–75.
#6 Olsson EM, von Schéele B, Panossian AG. A randomised, double-blind, placebo-controlled, parallel-group study of the standardised extract shr-5 of the roots of Rhodiola rosea in the treatment of subjects with stress-related fatigue .Planta Med. 2009 Feb;75(2):105-12.
#7 Sana Ishaque, Larissa Shamseer, Cecilia Bukutu, and Sunita Vohra. Rhodiola rosea for physical and mental fatigue: a systematic review. BMC Complement Altern Med. 2012; 12: 70.
#8 Kasper S, Dienel A. Multicenter, open-label, exploratory clinical trial with Rhodiola rosea extract in patients suffering from burnout symptoms. Neuropsychiatr Dis Treat. 2017 Mar 22;13:889-898.
#9 European Medicines Agency. (2012). Committee on herbal medicinal products (HMPC). Assessment report on Rhodiola rosea L., rhizoma et radix. Document reference. EMA/HMPC/232100/2011.