友情は神経科学レベルで予測できるらしいぞ

友情は神経科学レベルで予測できるらしいぞ

赤羽(Akabane)

今回は「友情は神経科学レベルでも予測できる!」というお話です。

友情は神経科学レベルで予測できるらしいぞ

早速ですが、興味深い研究が出ていたので覗いてみましょう。

仲の良い友人とは神経科学レベルでリアクションが似てくる?!

これは2018年にカリフォルニア大学の心理学教授らが発表した研究(#1)で、オンラインで募った279名の学生を対象に、まずアンケートに答えてもらったようです。

具体的には、実験に参加している学生の中に参加者らと仲の良い友達が居れば報告してもらう、というものでした。この結果、42名の参加者がヒットして最終的に実験に参加しました。

実験は、参加者らに共通の動画クリップ集を観てもらって、視聴中に彼らのfMRIデータを取る流れで進められたようです。参考にするデータは各クリップへの神経反応速度でした。

ちなみに動画クリップはあらゆるジャンルを網羅していて、コメディからドキュメンタリー、討論まで色々あったようです。この点のチョイスには、参加者を退屈させずにしっかりしたデータを取るための工夫があったみたい(笑)

そしてこうした実験から分かったのが、次のような結果でした。

結果
  • リアルで友達な参加者は互いに動画クリップに対する反応が似ていた
  • この類似はリアルでの関係が遠くなるほど弱まっていった
  • こうした結果は年齢や性別、国籍、人種、利き手といった参加者間の共通点を調整しても見られた

まとめると、友達同士仲の良い二人は互いに同じ動画クリップへのリアクションが似ていて、関係が遠くなるほどあまり似なくなっていった、と。これは面白いですね。

ちなみに今回似たような反応が見られた脳の領域は、腹側、背側線条体や被殻、尾状核、偏桃体、頭頂葉といった、注意力や感情、論理的思考などを司る分野だったみたい。

ではどうしてこれ程までに友達同士のリアクションが似たのでしょう?考えられる要因は沢山ありますが、

友達だとこの辺が似るかも

  • 性格や気質
  • 認知スタイル
  • 価値観やモノの見方
  • 興味関心
  • 予備知識

ザっとこんな感じでしょうか。上で挙げたような特徴が一緒にいるほど似てきて、これが神経反応の類似にも繋がったんではないか?と。

また面白いことに、今回のデータは友達同士の神経反応が似ていることだけでなくて、ペア同士のリアルでの親密度まで神経反応である程度予測できてしまうことも示していました。

赤羽(Akabane)

よく類は友を呼ぶと言いますが、我々は仲の良い友人と神経科学レベルで似ついてしまうのかもしれません。友達は選べ!と言うと傲慢だと思われるでしょうが、自分の為にも、他のよくしてくれる親しい人の為にも、友達は慎重に選ぶべきというのが私の意見です。

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参考文献&引用

#1 Carolyn Parkinson, Adam M. Kleinbaum & Thalia Wheatley. Similar neural responses predict friendship. Nature Communications, volume 9, Article number: 332 (2018).