タバコは本数を減らしても意味がない?一日一本のタバコでも心臓疾患のリスクが高まる。

2019年4月17日タバコ

「一本だけ…」がヘビースモーカーの50%相当の心臓疾患リスクにつながる

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「タバコの本数ってどのくらいなら大丈夫なの?」というのは喫煙者なら誰もが考えたことがあるのではないでしょうか?そんな疑問にひとつの答えが出ました。
 

 
2018年にイギリスの教授らが発表したメタ分析(#1)によると、一日一本のタバコは一日20本以上吸うヘビースモーカーのおよそ50%の心臓疾患のリスクがあることが分かったようです。つまり「一本だけ…」を繰り返しても心臓疾患のリスクはグンと上がってしまうのですね。研究の中身を覗いてみると、
 

  • 55の関連論文から144ものコホート研究を選出
  • 総参加者数は明記されていないものの500万人は超えている
  • 喫煙者は1日に1本、5本、20本のグループに分類
  • 心臓疾患(虚血性心疾患や心臓発作)
  • 他の要素(年齢、性別、運動習慣、血圧、コレステロール値など)は調整する

 
このような感じ。コホート研究の強みを活かした大規模な研究になっています。ちなみに「喫煙者が実験途中で吸う本数を減らしたら結果に響くんでは?」という点は、「少ない本数でも動脈硬化や酸化ストレスなど心臓疾患の原因となる悪影響は十分ある」とのことで、結果にはそう響かなそうです。(2,3,4) では具体的な数字を見ていきますと、
 

  • 1日1本は40~50%、1日5本は55~60%の心臓疾患リスク上昇が見られた(1日20本と比較)
  • 少ない本数だと女性のほうが心臓疾患のリスクは高くなった
  • 1日1本ライトスモーカーと20本ヘビースモーカーの虚血性心疾患、心臓発作のリスク比較は以下の通り
男性 女性
心血管疾患リスク(1本を20本と比較) 53% 38%
心臓発作リスク(1本を20本と比較) 64% 36%

どうやらタバコはたった一本でも心疾患のリスクをグンと挙げる様子。更にタバコ以外の関連要素(運動習慣や血圧、コレステロール値などの心臓疾患の要因になるもの)を調整したほうがより心臓疾患リスクが高まった!という報告もあって、タバコが心臓疾患リスク上昇に大きく関係している可能性が高そう。

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赤羽(Akabane)

「タバコは体に悪い」はもはや世間一般の認識にまで浸透していますが、これは多くの研究で示されてる通り真実。では1日1本くらいなら大丈夫なのか?と思いきや、たった一本でもヘビースモーカーの半分くらいまで心臓疾患リスクが高まったしまう様子。結論としては、タバコは本数を減らすくらいならキッパリ止めたほうがいいでしょう。

 

参考文献&引用

#1 A Hackshaw,Joan K Morris,Sadie Boniface,Jin-Ling Tang,Dušan Milenković,”Low cigarette consumption and risk of coronary heart disease and stroke: meta-analysis of 141 cohort studies in 55 study reports“BMJ,Vol.360,2018.

#2 MiYang J, HyeonCheol J, Lee K, Yim J. “The acute effect of smoking a single cigarette on vascular status, SpO2, and stress level.” Med Sci Monit ,Vol.20,pp601-607,2014.

#3 Teasdale JE, Newby AC, Timpson NJ, Munafò MR, White SJ. “Cigarette smoke but not electronic cigarette aerosol activates a stress response in human coronary artery endothelial cells in culture.“,Drug Alcohol Depend ,Vol.163,pp256-260,2016.

#4 Csabai D, Csekő K, Szaiff L, “Low intensity, long term exposure to tobacco smoke inhibits hippocampal neurogenesis in adult mice” ,Behav Brain Res,Vol.302,pp44-52,2016.